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城に県庁鎮座は「ひんしゅく」 福井県で議論へ

福井城跡に建つ福井県庁舎(中央の建物)=福井市で2019年1月11日、岸川弘明撮影

 JR福井駅の北約300メートル、福井城跡(福井市大手3)。堀が囲む旧本丸には福井県庁と県議会議事堂、県警本部が建つが、「お堀の内にあるのはおかしい」と反感を持つ市民は少なくない。西川一誠知事は年頭、庁舎移転に向けて新年度から本格的な議論をする意向を表明。2022年度末に北陸新幹線の福井開業を控え、新たな観光資源として城の復元を期待する声も上がる。【岸川弘明】

1世紀近く鎮座

 福井城は徳川家康の次男、結城秀康が1601年に築城を始め、江戸時代を通して福井藩主越前松平家の居城だった。本丸は天守が1669年の大火で焼失し、以後再建されなかったが、明治初期まで本丸の西南と東南にそれぞれ3重の坤櫓(ひつじさるやぐら)と巽(たつみ)櫓がそびえ、将軍家の「御家門」にふさわしい威容を誇ったと伝えられる。

 城跡に県庁が建つのは、前庁舎が完成した1923年にさかのぼる。70年代にも移転が検討されたが立ち消えとなり、81年に現庁舎に建て替えられた。堀の内側に県庁が“鎮座”する状態は1世紀近く続いており、公園として整備されている富山城跡や金沢城跡と比較されることも多い。

住民からも要望

 「県外の人から福井城はどこにあるのかと聞かれて説明に困った」「お城に行ったら県庁だったと、観光客のひんしゅくを買う」

 昨年12月26日、約1200の個人・団体でつくる「福井城の復元をすすめる会」など福井県内8団体の代表者らが福井市役所を訪れ、東村新一市長に積年の思いをぶつけた。坤櫓と石垣上の土塀を復元するよう要望し、約1万7000人分の署名も添えた。

 すすめる会は2002年の設立以来、講演会の開催や県外の城郭視察を重ね、復元の機運醸成に努める。新幹線開業が迫る中、「県都の顔」となるような歴史的景観を求める声は増えているという。

早急に活用策を

 福井県と福井市が2013年に定めた「県都デザイン戦略」にも県庁と市役所を現在地から移転し、一帯に「福井城址(じょうし)公園」を整備する方針が掲げられている。県が昨年、天守台跡に通じる山里口御門を復元、福井市も西側に隣接する中央公園の再整備を済ませたが、戦略の目標年次は2050年。庁舎の移転先や跡地利用の詳細は決まっていない。

 こうした中、西川知事は今月7日の記者会見で県庁移転について「新年度から幅広い議論を行う場を設けたい」と発言。県議会議事堂と県警本部も対象とする考えを示した。

 復元をすすめる会の会長、吉田純一・FUT(福井工業大)福井城郭研究所長は「福井城と城下町が福井市の基盤。今後のまちづくりにつなげるためにも、県庁の移転を待たずに城跡の具体的な活用方法を早急に考えるべきだ」と主張する。

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