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プライバシー保護団体から歓迎の声 米グーグルにGDPR制裁金

米カリフォルニア州のグーグル本社=AP

 米IT大手グーグルが、フランスのデータ保護当局(CNIL)から欧州連合(EU)の個人情報保護法「一般データ保護規則」(GDPR)に基づく制裁金支払いを命じられたことを受けて、プライバシー保護団体からは歓迎の声が出ている。グーグルをはじめ「プラットフォーマー」と呼ばれる米IT大手に対する訴えは相次いでおり、戦略の見直しが迫られそうだ。

     「基本的人権を守る我々の主張が認められ、非常に喜んでいる」。CNILにグーグルを訴えていたプライバシー保護団体「noyb」のマクス・シュレムス代表は21日、声明を発表した。

     GDPRが施行されて以降、既に数万人のユーザーが米IT大手の違反行為を訴えており、「noyb」は今月、アップルやアマゾン、ユーチューブなど8社についてもオーストリアのデータ保護当局に告訴した。違反が認められた場合の制裁額は8社合計で最大約180億ユーロに達するという。

     欧州で米IT大手に対する不満が強まる背景には、個人情報のずさんな管理がある。昨年にはフェイスブック利用者の個人情報が英選挙コンサルティング会社に流出する問題が発生。プライバシー保護の強化に向けた機運が一気に高まった。

     世界中から集めた膨大な個人情報を収益源としながら、法人税率の低い国に利益を移転することなどで、利益に見合った納税をしていないことへの反発も強い。このため、EUはIT企業の売り上げに課税する「デジタル税」の導入も検討している。

     ただ、デジタル税の導入には28の全加盟国の合意が必要になる。導入に慎重な加盟国もあることから、しびれを切らしたフランスやスペインは独自にデジタル税を導入する方針を表明。3月にEUを離脱する予定の英国は2020年の導入を決定している。

    利用者保護、日本も検討

     日本政府も「プラットフォーマー」による個人情報やデータの取り扱いに厳しく対応する姿勢を強めつつある。

     政府の個人情報保護委員会は2018年10月、米フェイスブック(FB)で個人データ流出が相次いだ問題を受けて、再発防止の徹底を求める行政指導をした。その際には、流出だけでなく、利用者の情報をFBが取得する仕組みについても、利用者への説明が不十分だと指摘している。

     また、昨年12月に開いた内閣官房の有識者会合は、海外事例として欧州連合(EU)のGDPRを紹介した上で、プライバシー保護強化のために新たなルールの制定や、個人情報保護法の見直しを検討する考えを打ち出した。

     さらに公正取引委員会も、通常は企業間で問題になる「優越的地位の乱用」を禁じる規定を、消費者保護にも活用できないか検討している。消費者がサービスを受けるために不利な形でプラットフォーマーに個人情報を提供せざるをえなくなっている可能性があるためだ。

     プラットフォーマー側は「過度の規制強化は成長を鈍らせる」と主張するが、日本は欧州同様、米国のような世界的なプラットフォーマー企業を抱えておらず、個人情報を巡る議論では利用者保護が優先されそうだ。ある政府関係者は「将来的には、日本もGDPRのような仕組みを整えるなど規制強化の方向へ進むだろう」との見方を示している。【岡大介】

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