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「368万円 不当に天引き」保険外交員が代理店提訴 同種訴訟で4社目

「会社が支払うべき社会保険料もピンハネされた」と語る元保険外交員の原告男性=東京都新宿区で2019年1月7日午後3時、畠山哲郎撮影

 保険代理店の元外交員(保険募集人)が、給与から経費などを不当に天引きされたと訴えている問題で、東京都新宿区の保険代理店「グッドウイン」で外交員として働いていた横浜市の男性(32)が約588万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。提訴は21日付。弁護士らへの取材によると同社への提訴が判明したのは初めて。これで同種訴訟の被告会社は4社に拡大した。

 男性の代理人を務める大久保修一弁護士が23日、毎日新聞の取材に明らかにした。訴状によると、男性は2016年5月、契約社員として入社。入社時の面接で会社側から、保険の販売で得る手数料収入の8割を本人、2割を会社の取り分とする説明を受けたが、18年10月の退社までの2年半に支払われた給料は、支給されるべき額より約368万円低かった。

スケジュール帳を示しながら、提訴に至った経緯を説明するグッドウインの元保険外交員の男性=東京都新宿区で2019年1月7日午後2時52分、畠山哲郎撮影

 男性側は給与支払いの際に会社から示された電子データなどを基に(1)会社に籍を置いているだけで発生する「在籍料」(2)会社が負担すべき社会保険料(3)顧客になる見込みのある人物を外交員に紹介した際に徴収する「情報料」(4)電子機器の使用料――などが不当に天引きされたと主張。退社しようとした際に会社から嫌がらせを受けた慰謝料など220万円を加えた計約588万円の支払いを求めている。

 男性は現在、別の金融関係の会社で働いている。取材に対し「ピンハネについて社内で話題にしたら、幹部に『辞めてもらって構わない』と言われた。こんな給与体系が容認されているのはおかしい。同じような目に遭っている人は多く、業界は正常化してほしい」と話す。

 グッドウインの担当者は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。東京商工リサーチによると、同社はさまざまな会社の生命保険や損害保険を取り扱う代理店で従業員約750人。17年の売上高は約71億円。【畠山哲郎】

被害弁護団 来月発足

 毎日新聞の取材では、元外交員が保険代理店を訴えた同種の訴訟は、札幌▽東京▽大阪▽広島▽長崎――の各地裁と福岡地裁小倉支部に起こされた。原告は計12人、請求額は計5770万円に上り、他にも提訴の動きが広がっている。

 このうち最多の7人から訴えられている「FPパートナー」(東京都新宿区)は全国に支社がある比較的規模の大きな代理店で、被告4社の中でも最大。「保険のビュッフェ」ブランドで保険の相談事業を展開する。

 訴状などによると、同社の元外交員も客の情報料として1件当たり数万円、月に数十万円が給料から差し引かれたと主張。基本給も一部しか支払われず、他にもさまざまな名目で経費負担を強いられたと訴えている。グッドウイン以外の3社も「コメントは差し控えたい」などと答えた。

 各地の弁護士らは2月4日に「保険外交員搾取被害弁護団」を結成し、救済に乗り出す方針。弁護団に参加する中川拓弁護士が通常の労働相談ホットライン(0120・41・6105)で相談を受け付けている。【樋口岳大】

元外交員が未払い賃金などを求めて提訴した保険代理店

被告会社名      本社所在地  原告数 請求額

FPパートナー    東京都新宿区 7人  4646万円

RKコンサルティング 千葉県市川市 3人   287万円

グッドウイン     東京都新宿区 1人   588万円

ピーアイシー     東京都台東区 1人   249万円

計                12人  5770万円

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