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余録

「100歳になったら、もう大丈夫…

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 「100歳になったら、もう大丈夫。全人口の中で100歳を超えて死ぬ人はごくわずかしかいないんだ」。これはジョークだが、権力者が統計数字を持ち出すたびにだまされた気分になるのは被害妄想か▲米経済学者のランズバーグは「数字はうそをつかないが、うそつきが数字を使う」のだという。だがその最初の数字が十何年もの年季の入った不正調査から生み出されていたとしたらどうか。「数字のうそ」がまかり通っていたのだ▲むろん厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査である。先日の監察委報告は漫然と不正を踏襲したさまを言語道断(ごんごどうだん)としながら、組織的隠蔽(いんぺい)は認めなかった。国会の閉会中審査で与党議員すらも拙速で調査不十分と難じたのは当然だろう▲厚労省はデータを補正した2012年以降の再集計を発表したが、従来の集計との名目賃金のズレは最大1・2%だった。結果、補正済みの昨年の賃金の伸び率も最大0・7%下方修正した。政府の羅針盤(らしんばん)は大きくゆがんでいたのだ▲これによる雇用保険などの過少受給者は延べ2000万人を超える。追加給付費用はシステム改修費なども含めて800億円近くにのぼり、さらに膨らむおそれがある。「数字のうそ」が国民に与える損害の大きさにもあぜんとする▲不正が始まった04年から11年までは元データが廃棄され、再集計が難しい統計の空白も生まれた。ただでさえ国民に疑いの目で見られる数字のうそや空白だ。対応を誤れば政権の命取りになってもおかしくない。

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