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サンデー毎日発

「難関大」学科別最終難易度 見た目の競争率に惑わずに合格ラインに堪える学力を

難関私立大の志望動向

 2019年度入試(19年4月入学)は間もなく本番だ。出願直前の模試の志望状況から難関大の出願動向を占うと、落ち着いている国公立大に対して、流動的な私立大、という構図が見えてきた。

     16年度入試に端を発した、大規模私立大の入学定員超過率の段階的抑制方針。19年度の入学者の超過率は前年度と同じ1.1倍まで認められることになったが、定員管理厳格化に伴う合格者絞り込みを受けた“安全志向”の余波は収まりそうにない。河合塾教育情報部チーフの岩瀬香織さんは言う。

     「定員超過率の抑制が一段落し、19年度入試の合格者数は前年並みが見込まれる中、相変わらず安全志向が強い。早慶上理(早稲田、慶応義塾、上智、東京理科)、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)はいずれも志望者減。文系学部全体の志望者は増えているのに、これらの難関13私立大だけで集計すると前年を下回っています」

     難関私立大の志望者減は、これまで志願者が増え続けてきた社会科学系で顕著だ。「難関私立大の志望動向」を見ると、増えているのは東京理科大・経営と関西大・政策創造などだ。

     大学ごとの志望状況を見ると、難関13私立大では東京理科大を除いて全て減少。1割以上減っている大学も珍しくない。中でも減少幅が大きいのは早稲田大だ。駿台教育研究所・進学情報事業部長の石原賢一さんは、こう話す。

     「早稲田大は大半の学部で志望者が減少し、倍率面で狙い目の学部が出てきそうです。教育学部の定員が大幅減となり、難化が見込まれていましたが、志望者も同程度減っています。数少ない志望者増の学部である基幹理工は、情報理工学科がある影響でしょう」

     大学全体の志望者が減少する難関大にあって、情報系は人気が高い。「難関私立大の志望動向」では、慶応義塾大・環境情報、明治大・総合数理、法政大・情報科、関西大・総合情報で志望者増。関西学院大・理工が増えているのも、情報科学科の影響が大きい。

     その他の志望者が増えている学部に注目すると、開設2年目の立命館大・食マネジメントは、受験生の認知が進み大幅増。19年度に開設する中央大の国際情報と国際経営、青山学院大・コミュニティ人間科は、いずれも志望者が多い。特に中央大の2学部は志望者のレベルも既存の学部と変わらず、厳しい入試になりそうだ。

     このように志望者が増えている学部はあるが、難関私立大全体では志望者減。では、連動して難易度(合格が見込める学力レベル)も下がっているのだろうか。河合塾の岩瀬さんは言う。

     「模試の成績別志望状況を見ると、早慶上理やMARCH、関関同立で志望者が減っているのは合格ラインよりやや下の層なので、入試のレベルは変わらない。注意が必要なのはこれらの大学に次ぐレベル。安全志向の受験生がシフトしてくることにより、合格ラインより上の層の志願者が増え、厳しい入試になりそうです」

     次に、旧七帝大に東京工業大、一橋大、神戸大を加えた難関国立10大学の志望状況について、ベネッセコーポレーション・学校カンパニー教育情報センター長の渡辺慧信さんに聞いてみた。

     「前年を100とした時の難関国立10大学の志望者指数は、国公立大全体とほぼ同じ95で、落ち着いた志望動向。ただ、大学によって弱気感が見られ、前年の志願者増の反動で減少している東北大をはじめ、東京工業大や一橋大、名古屋大、京大などで志望者が減少しています」

     京大の志望者減は、受験生の安全志向の影響。関西には、首都圏の早慶のように難関国公立大の代わりになる私立大がなく、志望校選びが国公立大の中で完結する。その影響もあり、大阪大の志望状況は堅調で、文系学部で志望者が減っている学部はない。京大とは対照的に東大は志望者が増えている。駿台の石原さんは言う。

     「本気で東大を狙う層は、ブレずに志望しています。科類別では、理3と文3が増えています。文3が増えているのは、東大志望者の中での安全志向の影響。文1は減っていますが、成績上位層は例年並みで、厳しい入試に変わりはない。東大の志望者増は、医学部(医学科)人気が下がっている影響もありそうです」

     国公立大医学部の人気は落ち着いており、難関大で志望者が増えているのは、東大と九州大くらい。九州大が増えているのは、センター試験の理科で生物が必須でなくなったからだ。

     科目変更により志望者が増減している大学・学部は他にもある。

     「名古屋大・教育は理系生が出願しやすいセンター試験科目になり志望者増。大阪大・工は個別試験の数学と理科の強みを生かせる配点方式を廃止。受験生は工と比べ国語の負担が少なく、個別試験の配点が高い同・基礎工に流れたため、工の志望者が減り、基礎工が増加しています」(ベネッセの渡辺さん)

     大阪大・基礎工の志望者が増えている背景には、情報科学科を持っていることもある。私立大同様、情報系の人気は高く、筑波大・情報学群や東京工業大・情報理工学院、名古屋大・情報の志望者が増えている。一方、ものづくりやインフラ系は人気がなく、機械や土木・建築が狙い目になりそうだ。

     19年度の難関大入試全体を見渡すと、志望動向が落ち着いている国公立大は、実力を発揮しやすい状況が予想される。一方、私立大は志望者が減少しているものの、実際の出願状況は読みにくい。

     「私立大が難化したため、模試で確実な合否判定を求める傾向にあり、志望校欄に難関大を書かない受験生が増えている。潜在的な難関大志望者はそれほど減っていない可能性があり、実際の志願者が減るとは限りません」(ベネッセの渡辺さん)

     私立大の志願者は12年連続で増えており、19年度も増えそうだ。難関大でも志願者増の可能性はあるが、志望者が減っているのは合格ラインより下の層。その受験生分が志願者として上積みされるなら極端な難化はなさそうだ。合格者が絞り込まれる可能性が低い19年度入試。私立大志望者は強気で臨みたい。【大学通信・井沢秀】

    *週刊「サンデー毎日」2019年1月20日号より転載。河合塾、駿台予備学校、ベネッセの「難関大」学科別難易度の表に関しては、実際の誌面で確認してください。

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