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第94回センバツ高校野球

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第91回選抜高校野球

広陵、行くぞ夢舞台 呉、朗報に笑顔はじけ(その1) /広島

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 <2019 第91回センバツ高校野球>

 吉報は、ダブルで広島に届いた--。第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が25日、大阪市で開かれ、広陵(安佐南区)と呉(呉市)の出場が決まった。広陵は6年ぶり24回目、呉は2年ぶり2回目。広陵の選手は多くのプロ野球選手を育てた球場で、呉の選手は西日本豪雨で水浸しになったグランドで、夢舞台での活躍を胸に明日を見据えた。大会は3月15日に組み合わせ抽選会が行われ、23日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【隈元悠太、小山美砂、元田禎】

広陵、行くぞ夢舞台

センバツ出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ広陵の選手たち=広島市安佐南区の同校で、2019年1月25日、隈元悠太撮影
センバツ出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ広陵の選手たち=広島市安佐南区の同校で、2019年1月25日、隈元悠太撮影

 広陵の校長室の電話が鳴ったのは午後3時半過ぎ。センバツ出場校に選出されたことを告げる選考委員会からの連絡で、國貞和彦校長(60)は「ありがとうございます。ありがたくお受けいたします」と快諾。間もなく出場決定を知らせる校内放送も流れ、生徒たちから大きな拍手がわき起こった。

 グラウンドに集まった選手たちは、國貞校長から「一生懸命頑張ってください」と言われ、真剣な表情でうなづいていた。その後、センバツで2度の優勝に導いた中井哲之監督(56)を胴上げするなどして笑顔で喜び合った。

 秋山功太郎主将(2年)は「うれしい」と顔をほころばせつつ、「目標は全国制覇。粘り強い自分たちの野球で、浮かれずに一戦必勝で戦っていきたい」と決意を語った。エースの河野佳投手(2年)は「出場が決まってよかった。失点を抑え、ピンチでも強気で攻めるピッチングで臨みたい」と甲子園のマウンドに立つ日を心待ちにしていた。

 広陵のファンで、練習の見学によく訪れるという三原市幸崎町の小学1年、新田樹生(じゅいき)さん(6)は、「たくさん打つ広陵が好き。甲子園でもがんばってほしい」とエールを送っていた。

校訓は「質実剛健」

 1896年に設立された私立高校。元々は男子校だったが、1998年に男女共学に移行。「質実剛健」を校訓に掲げ、地域や国際社会に貢献する人材の育成を目指す。情報通信技術を活用した教育や国際交流に力を入れ、ニュージーランドへの留学制度もある。

 野球部は11年に創部。甲子園は春夏通算46回出場の常連で、春は3回全国制覇した。部員は130人。プロ選手も多く輩出し、OBには阪神の金本知憲前監督のほか、野村祐輔(広島)、小林誠司(巨人)、中村奨成(広島)各選手らがいる。柔道部やボクシング部などの活動も盛ん。

 生徒数1275人(男子784人、女子491人)。広島市安佐南区伴東3の14の1(082・848・1321)。

呉、朗報に笑顔はじけ

センバツ出場が決定し飛び上がって喜びを爆発させる呉の選手たち=広島県呉市で2019年1月25日、山崎一輝撮影
センバツ出場が決定し飛び上がって喜びを爆発させる呉の選手たち=広島県呉市で2019年1月25日、山崎一輝撮影

 午後3時40分ごろ、呉に朗報が届いた。校長室の電話が鳴り、西山光人校長(58)は「ありがたくお受けいたします。しっかり精進します」と答え、中庭に集まった選手らにセンバツ出場を報告した。

 校内放送の際には校舎全体からどよめきが起き、西山校長は「選考委員会では満場一致で推薦された。本当におめでとう。この偉業を学校をあげて喜びたい」と語りかけた。センバツ出場を祝う懸垂幕が降ろされ、校舎の渡り廊下に鈴なりになった在校生から「おめでとう」の掛け声と、大きな拍手が起きた。

 上垣内俊早(はやて)主将(2年)は、2年前に同校がセンバツ出場した時、レギュラーだった兄を甲子園で応援した。「選ばれるかどうか半信半疑だったので、とにかくうれしい。今年のチームは元気があって仲がいい」。エースの沼田仁投手(2年)は「粘り強く戦うのがチームの特徴。練習でも一つ一つのプレーを大切にし、甲子園で1勝したい」と顔をほころばせた。

 父母たちも決定の瞬間を待ちわびた。塩田開都選手(2年)の父で、父母会副会長の和弘さん(49)は「感無量です。息子にはまず『おめでとう』と声を掛けてあげたい。甲子園が今から楽しみ」と感激した様子だった。

前身は女子校

 1998年創立の男女共学の市立高校で、前身は59年に開校した家庭科専門の女子校「呉豊栄高校」。社会人講師を積極的に招き、調理や福祉、服飾など幅広い教育を行う。「高き夢をいだけ、そして君が夢みた君になれ」をスローガンに掲げる。

 野球部は2007年の創部で、尾道商を3度センバツに導いた中村信彦監督(64)が就任。創部10年の17年にセンバツ初出場を果たし、初戦を突破した。現在の部員は主に呉市、東広島市出身の43人でマネジャー6人が支える。

 部活動では被服研究部、保育研究部など珍しいものも。生徒数476人(男子165人、女子311人)。呉市阿賀中央5の13の56(0823・72・5577)。

両校生徒らに号外配布

 広陵と呉のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の号外が25日夕、両校にさっそく届き、生徒や関係者らに配られた。

 号外には野球部員のさまざまな写真や最近の成績、学校の歴史や校歌などを掲載。広陵で号外を受け取ったダンス部1年の山崎寧音(ねおん)さん(15)は「夏は初戦で負けてしまったので、春は優勝するところを間近で見たい。スタンドで精いっぱい応援します」と笑顔で話した。【堀雅充】

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