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モリシの熊本通信

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家庭の地震対策見直しを /佐賀

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 今月3日午後6時10分ごろ、熊本県で震度6弱を観測する地震が発生した。私は発生当時、熊本市南区の自宅にいたところ、揺れを感じた。テレビに目をやると、同区は震度3と表示されている。しかしながら、ここ2年ほどに私が体感した地震の中では最も揺れが長く、恐怖を覚えた。熊本地震がフラッシュバックして、しばらくは動悸(どうき)がおさまらなかった。

 震源地は、熊本市から北西に約30キロに位置する和水(なごみ)町。数日たって被害の全容が明らかになったが、幸い、人や建物の被害は少なかったようだ。私の自宅では、棚から物が落ちることはなく、停電も起きなかった。インターネットは平常通り利用でき、同市東区の実家ともすぐに連絡がついた。

 一方で、今回の地震は、年末年始を帰省先で過ごした人たちの足に大きな影響を与えた。高速道路は一時、一部区間で利用できなくなり、高速バスの運休が相次いだ。新幹線は終日、運転を見合わせた。線路上で立ち往生する車両もあり、乗客らは新幹線の車内での待機を強いられた。

 同町では、2016年4月16日に発生した熊本地震の「本震」で、震度6弱を観測しているが、今回は震源域が20キロ程度離れている。政府の地震調査委員会は、今回の地震による大きな地殻変動がなかったことなどを根拠に、二つの地震に直接の関係はないとの見解を示した。しかし、揺れを感じた瞬間、私はてっきり熊本地震の余震だと思った。改めて、地震は日本全国いつ、どこで起こってもおかしくはないと強く感じる。

 政府の地震調査研究推進本部は17年、中学生・高校生以上を対象にしたパンフレット「地震を正しく恐れる」を制作・発行した。このタイトルにあるように、地震の脅威を正しく理解し、普段から適切な備えをしておくことが何より重要だ。

 備えについては、例えば水や食料、非常用トイレを備蓄する。非常持ち出し袋を玄関周辺に置く。家具の転倒防止を施す。家族との連絡手段を決める。これだけで安心感が大きく違う。今回の地震をきっかけに、改めて各家庭の対策を見直していただければ幸いである。


 ■人物略歴

 田中森士(たなか・しんじ)

 マーケティング会社「クマベイス」(熊本市)代表取締役、ライター。熊本県立高常勤講師、全国紙記者を経て古里の熊本市で起業した。熊本地震後は、復興支援活動に携わりながら、執筆やイベントを通し、被災地の現状を伝えている。モリシは愛称。熊本市南区在住。

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