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社説

不適切な統計の拡大 恥ずべきデータ軽視体質

 景気の動きなどを調べる政府の統計は政策の重要な土台である。にもかかわらず、おろそかにしてきた政府の姿勢があらわになった。

     政府が特に重要と指定する基幹統計56のうち、約4割の22統計で不適切な処理があったことが総務省の調査で判明した。勤労統計の不正を受けて行ったもので問題が一気に拡大した。ずさんな扱いが横行していたというのは恥ずべき体質である。

     建設工事の統計で企業が誤って報告した数値をそのまま使ったり、小売店などの販売統計で調査対象を変えたことを総務相に申請しなかったりした。不適切な統計の大半の21統計で統計法違反の疑いがある。

     総務省は「単純ミスが多く、勤労統計のような不正や国民生活に影響する重大な問題はない」とみている。認識が甘いと言わざるを得ない。

     基幹統計は、国内総生産(GDP)など重要な指標の算出に用いられ、政府が政策を立案する際の基礎となるものだ。統計の誤りは、政策判断の誤りにつながりかねない。

     政府は基幹統計以外の233統計についても今後調べる。基幹統計でこれだけ問題が出てきただけに、もっと拡大してもおかしくない。

     不適切な処理がはびこっていることがさらにはっきりすれば、日本の統計は国際的にも信用されなくなってしまう。海外投資家の日本離れを招く恐れもある。

     問題の背景として、国の統計職員の不足が指摘されている。

     各省庁に所属する統計職員は昨年4月時点で計約1900人と10年前のほぼ半分に減った。欧米に比べると、かなり少ない。政府の統計に対する意識が低く、削減対象となりやすいからだ。

     成果の見えにくい統計業務は霞が関の官僚から敬遠され、短期間での異動が目立つ。専門性が高いのに専門家を育てる意識も乏しい。

     安倍政権では、財務省の決裁文書改ざん問題などが発覚した。政策の土台となる統計をいいかげんに扱うことと、国民の共有財産である公文書をないがしろにする姿勢は、底流で共通しているのではないか。

     データを軽視したままでは、国民の不信を増幅させるだけだ。政府は統計の重要性を認識し、組織の充実や人材育成に努めるべきだ。

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