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なぜ学校の標本に…人骨判明の怪 鹿児島、佐賀など相次ぐ

学校の理科室に展示されている骨格標本

 各地の高校などで保管されていた頭蓋骨(ずがいこつ)などの標本が、本物と判明するケースが相次いでいる。昨年6月に鹿児島市の高校にあった頭蓋骨が人骨だったと報じられたのを機に、各学校が標本の調査に乗り出し、鑑定結果が出始めているとみられる。なぜ学校に本物の人骨があったのか。

 発端は、2016年7月に鹿児島県立鶴丸高(鹿児島市)で教諭が生物講義室の標本棚から見つけた頭蓋骨らしき骨だった。県警などが鑑定したところ、約50年前に死亡した女性の骨とみられることが分かった。事件性はなく、引き取り先がないため、市は法律に基づいて火葬し、埋葬した。

 この事案を受けて、佐賀県教委が県立学校を対象に保管している標本の確認を通知したところ、今月中旬、佐賀西高(佐賀市)と神埼清明高(神埼市)にあった頭蓋骨と、三養基(みやき)高(みやき町)にあったホルマリン漬けの脳が、県警の鑑定で人のものと確認された。

 鶴丸高での「発見」が報じられて以降、福井や石川、大分、宮崎の各県でも同様の「人骨保管」が発覚し、鹿児島県立甲南高(鹿児島市)では、デッサン室に保管されていた頭蓋骨が女性の骨と確認された。美術の授業でデッサンのモチーフとして使われていた。

 文部科学省の担当者は「人骨が学校にあるとは想定しておらず、取り扱いも定めていない」と困惑する。

 甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「明治時代は、病死した人や監獄で死亡した人で引き取り手がいない場合、遺体は医学部などに提供され、一部で標本が作られていたのだろう」と話す。

 しかし、1949年に遺体の解剖と保存を規定した「死体解剖保存法」が施行されて以降、教育用の標本が不足し、教材メーカーが海外から輸入するようになったとみられる。

 ある教材メーカーの担当者は元社員から聞いた話と前置きしたうえで「70年代後半まで医学部や大学病院向けにインドから輸入した人骨を骨格標本として販売していた」と明かす。人道的な見地から販売は中止された。

 これまで人骨と判明した分の入手先はいずれも不明で、古くに大学などから提供されたり、購入したりしたとみられる。死体解剖保存法によると、医学部や病院は死体を保存できるが、それ以外は知事らの許可が必要だ。厚生労働省の担当者は「人骨と分かった段階で都道府県などに相談してほしい」と呼び掛けている。【山下俊輔】

◇標本などが人のものと判明した主な例◇

    学校名      発見された部位

佐 賀 三養基高     脳

    佐賀西高     頭蓋骨

    神埼清明高    頭蓋骨

大 分 高田高      頭蓋骨

宮 崎 明星視覚支援学校 頭蓋骨、腕、脚

鹿児島 鶴丸高      頭蓋骨

    甲南高      頭蓋骨

石 川 金沢二水高    頭蓋骨

    金沢桜丘高    頭蓋骨、全身骨格

    金沢泉丘高    頭蓋骨、全身骨格

    盲学校      頭蓋骨、全身骨格など

福 井 三国高      頭蓋骨

    金津高      頭蓋骨

    武生高      頭蓋骨

※石川、福井両県では県警が最終鑑定中

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