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メディア 記事の言葉 統計問題は不正?不適切?

衆院厚生労働委員会の冒頭、毎月勤労統計の不正調査問題について謝罪し頭を下げる根本匠厚生労働相=国会内で2019年1月24日午前8時31分、川田雅浩撮影

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山田やまだ道子みちこ 毎日新聞まいにちしんぶん 紙面審査委員しめんしんさいいん

 新聞記事しんぶんきじてくるたったひとつの言葉ことばおおきな意味いみつことがあります。たとえば、23にち新聞しんぶん朝刊ちょうかん厚生労働省こうせいろうどうしょうおこなう「毎月まいつき勤労きんろう統計とうけい」という調査ちょうさあやまった方法ほうほう実施じっしされていた問題もんだいで、なぜこんなことがきたのかを調しらべた報告書ほうこくしょ内容ないようつたえています。通常つうじょう国会こっかい野党やとう追及ついきゅうしようとしているだいニュースなので各紙かくしとも1めんあつかいましたが、問題もんだいかれました。

     毎日まいにち朝日あさひ東京とうきょう産経新聞さんけいしんぶんは「統計とうけい不正ふせい」という見出みだしでした。一方いっぽう読売新聞よみうりしんぶんは「不適切ふてきせつ統計とうけい」、日経新聞にっけいしんぶんは「不適切ふてきせつ調査ちょうさ」という見出みだしでした。産経さんけい記事きじでは「調査ちょうさ不適切ふてきせつだった問題もんだい」といています。

     「不正ふせい」と「不適切ふてきせつ」。広辞苑こうじえんによると「不正ふせい」とは「ただしくないこと」。「適切てきせつ」は「ぴったりあてはまること」とあるので、「不適切ふてきせつ」は「ぴったりあてはまらない」となるでしょうか。つまり「不正ふせい」のほうが「わるい」という意味いみつよ言葉ことばでしょう。

     各紙かくしがこの問題もんだい悪質あくしつさをどう認識にんしきしているかが言葉ことばひとつでかります。読者どくしゃあたえる印象いんしょうちがいます。この問題もんだい統計法とうけいほう違反いはんにあたるとされ、「不法ふほう」なのです。「不適切ふてきせつ」という言葉ことばはもはや適切てきせつではないのでは?

     横綱よこづな稀勢きせさと引退表明いんたいひょうめいてきた「日本にっぽん出身しゅっしん」もひっかかりました。毎日新聞まいにちしんぶんの17にち朝刊ちょうかんめんには「日本にっぽん出身しゅっしん力士りきしとして1998ねん夏場所なつばしょ若乃花わかのはな以来いらい19ねんぶりに横綱よこづな昇進しょうしん」とあります。「日本人にっぽんじん力士りきしでないのはなぜ? 武蔵むさしまるという力士りきし大関おおぜきとき日本国籍にほんこくせき取得しゅとくし、99ねん横綱よこづなになりました。にもかかわらず稀勢きせさとが「18ねんぶりの日本人横綱にっぽんじんよこづな」とほうじられないのは、モンゴルじん力士りきし活躍かつやくするなか日本にっぽんまれそだった日本人横綱にっぽんじんよこづなのぞ雰囲気ふんいきつよいからでしょう。ただその願望がんぼう稀勢きせさとへのプレッシャーになっていたようです。「日本にっぽん出身しゅっしん」はかなしい言葉ことばにもおもえます。


     政治部せいじぶ夕刊編集部ゆうかんへんしゅうぶ政治せいじなが取材しゅざい週刊誌しゅうかんし「サンデー毎日まいにち」の編集長へんしゅうちょうつとめた。新聞しんぶんそとから新聞しんぶん経験けいけんをして、メディアに関心かんしんつようになった。1961年東京都生ねんとうきょうとうまれ。

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