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<第91回選抜高校野球>
25日午後3時37分。待ちわびた瞬間が訪れた。グラウンドに降り立った楠田俊夫校長から出場決定を伝えられると、ナインは「ありがとうございました」と静かな闘志を燃やした。
「野球王国・兵庫」で最強と評されながらも初戦敗退した夏の甲子園から5カ月あまり。新チームの選手らは自らの力で、前チームの悔しさを晴らす機会を手にした。
◇
昨年8月11日の八戸学院光星(青森)戦。西兵庫代表として夏の甲子園に初出場した明石商は序盤に失点したものの、七回までに最大6点差を追い付き、延長に持ち込んだ。しかし十回、失策が絡んで決勝点を許し、敗戦。ナインの涙がグラウンドの土をぬらした。
敗戦の翌日、3年生を含む約130人の部員が午前中から学校のグラウンドに集まった。新チームの主将を決めるためだ。
狭間善徳監督の指示を受け、部員たちは新主将にふさわしいと考える選手の名を紙に書いた。多くの支持を集めたのは、いずれも2年生の重宮涼、水上桂、安藤碧、宮下匡雅(おうが)の4選手。重宮、水上、安藤の3選手は夏の甲子園でベンチ入りし、宮下選手は部員から「努力家」と認められていた。
狭間監督は4人に4日間ずつ主将の役をするよう指示した。いわば「お試し期間」だ。その結果、適任だと判断されたのが重宮選手だった。「一つ一つのプレーに厳しく、チームを率いる意志を感じさせた」と狭間監督は語る。
大所帯の野球部をまとめるには、並大抵のリーダーシップでは務まらない。途中で主将が交代するケースは珍しくないという。「あかんと思ったら、すぐに代えるで」。狭間監督から言われた重宮新主将は「気が引き締まった」と振り返る。
◇
「甲子園に出ることが目標じゃない。全国1位が目標や」。昨年8月31日の練習後、重宮主将は全員を集めたミーティングで力強く語った。
容易ではないことは百も承知だ。それでも、甲子園で負けた悔しさは甲子園で晴らすしかない。主将の覚悟の一言で、新チームの頂点に向けた戦いが始まった。=つづく
× × ×
3月23日に西宮市の阪神甲子園球場で開幕する第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)。明石商が3年ぶり2回目の出場を決めるまでの道のりを振り返る。
〔神戸版〕
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