昨年11月21日、自殺防止に取り組む秋田県のNPO法人「蜘蛛(くも)の糸」の佐藤久男理事長(75)は、秋田市内にある雑居ビルの一室で、テーブル越しに60代の女性と向き合っていた。「『もうおしまいだ』と言えばそれまで。まず明日の朝を迎える。夜眠る時に『今日、生きてるなあ』と思う。その延長だよ」。優しい口調で語りかける。女性は「こんなに気持ちが穏やかになるなんて、思っていなかった」と笑みを浮かべた。
3年ほど前、夫との死別を機にふさぎ込むようになった。いくつものカウンセリングを受けたが、気力を取り戻せない。「(天国で)お父さんが待っててくれるかな」。自殺が頭をよぎる中、知人の紹介で蜘蛛の糸に電話した。
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