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時代の風

縮む科学者の「寿命」 若手襲った「産業革命」=長谷川眞理子・総合研究大学院大学長

長谷川眞理子・総合研究大学院大学長=藤井達也撮影

 読者の方々は、科学者という職業をどのように見ておられるだろうか? 大学や研究所で「教授」や「上席研究員」などの地位を得て、自らの構想で最先端の研究をし、論文を書き、後継者を育てる姿か。しかし、どうやらそれは過去のこと。今ではずいぶん異なる。

 博士号を授与される研究者の卵の数は昔に比べて増えたが、研究者として食べていけるポストの数は年々減少している。その結果、独立して研究室を率いることのできる研究者の数は減少し、1年から5年の契約で、特定の研究グループで使われる研究者の数が増えている。こういった有期雇用の研究者の労働条件はかなり悪い。博士号取得前の大学院生も含め、研究グループの労働力としてこき使われる状況はよくある。教授、助教、ポストドクター、院生というヒエラルキーがしっかりとあり、結構ブラックだ。

 インディアナ大学の研究者らが行った最近の研究によると、科学者の「寿命」がどんどん短くなっている。1960年代に科学の世界に入った人々は、その半数が科学者を辞めるまでにかかる年数は35年だった。つまり、昔の学者は、だいたい30歳で就職して、35年間はその地位を維持するというのが普通だったということだろう。

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