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社説

「辺野古」沖縄県民投票 むしろ全国民で考えよう

 有権者の3人に1人が投票できない事態になりかけていた沖縄県の県民投票が一転し、全県で実施される見通しになった。

     米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、埋め立てへの賛否を問う県民投票だ。1カ月後の2月24日に投票を控える中、当初案の賛否2択に「どちらでもない」を加えた3択とすることで県議会がまとまった。

     それを受け、県民投票への不参加を決めていた宜野湾、石垣、沖縄などの5市が参加に転じた。

     県民投票の事務は市町村が担う。5市が一時、それを拒否したのは、保守系が多数を占める市議会が経費の盛り込まれた予算案を否決したことがきっかけだった。移設を進める政権の意向と無縁ではなかろう。

     ただし、これほど複雑な背景のあるテーマを「賛成」「反対」の2択で尋ねる設問のあり方に問題があったことも否めない。

     例えば「県内移設に賛成したくないけど、このままだと普天間飛行場が固定化されてしまう」と考える人はどちらを選べばよいのか。三つ目の選択肢があれば、賛否を明確に決められない人の受け皿となろう。

     玉城デニー知事が当初、2択で押し切ろうとしたのは、できるだけ多くの反対票を政府に突きつけたいと考えたからだろう。3択に分散すれば投票結果の評価が難しくなる。

     しかし、もともと県民投票に法的な拘束力はない。「辺野古ノー」の民意は2014年と昨年の知事選で明確に示されているのに、政府がそれを受け止めようとしないことが県民投票の根底にある。

     2択にこだわって全県で実施できなければ、投票結果に疑念を差し挟む余地が生まれる。何より沖縄の内輪もめとみなされては県民投票を行う意義自体が薄れてしまう。

     その意味で、沖縄県議会が自民党も含む全会一致で県民投票実施を決める形になったことは評価できる。

     そもそもの問題は、なぜ沖縄県民だけが苦渋の判断を迫られなければならないのか、だ。むしろ、この県民投票を沖縄の基地負担軽減について国民全体で考える機会としたい。

     そのうえで沖縄県民の投票結果をどう受け止めるか。本土の国民が「我がこと」と捉えることが辺野古の問題を動かしていく。

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