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「メディア議員」が示すもの

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 統一地方選と参院選が行われる12年に1度の「亥年(いどし)選挙」の年、各政党や候補予定者らは動きを活発化させてきた。メディア戦略では、新聞・雑誌やテレビに加え、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を含むインターネットを通じた発信が比重を増している--。

 以上は「政治とメディア」に関する一般的な議論だが、こうした従来の発想を逆転させた研究書が刊行された。『近代日本のメディア議員』(佐藤卓己、河崎吉紀編・創元社)である。メディア議員とは、政治家になる以前、あるいは以後にメディアで働いたり、経営したりした経歴を持つ者を指す。「メディアから政治へ」という人の流れに着目、分析している。

 主な対象は1890年の第1回から1990年の第39回までの総選挙で当選した衆議院議員で、その総数5579人中、新聞・通信社や出版、放送、映画といった「メディアに関連する議員」は984人(17・6%)に上ったとある。もっとも、議会が始まった初期には、政治家が理想や政策を掲げて自ら新聞や雑誌を発行した「政論新聞」の時代があるから、この数字をどう読むかは簡単でない。

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