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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月9日~25日)の特集サイトです。

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’19センバツ習志野 第1部・軌跡/中 県大会4強の中で最少失策 基礎練繰り返し 「粘り強く食らいつく」 /千葉

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千葉県大会準優勝の盾を持って行進する習志野の根本主将ら=千葉県市原市のゼットエーボールパークで2018年10月7日、宮本翔平撮影 拡大
千葉県大会準優勝の盾を持って行進する習志野の根本主将ら=千葉県市原市のゼットエーボールパークで2018年10月7日、宮本翔平撮影

 <第91回選抜高校野球>

 猛暑が続く2018年8月。習志野市内のグラウンドで、小澤拓海選手(1年)が練習着を泥だらけにしながら打球に飛びついた。習志野では連日、例年に増して激しいノックが続いていた。打球を追う一歩目の足が重かった。「体力がなく、練習についていくのが必死だった」と振り返る。

 夏の県大会で3年生が引退。新チームのバッティング、ピッチングなどは基本もままならない状態だった。秋の県大会までの約1カ月という短期間にできることは限られる。例年は試合を想定したサインプレーや試合形式の練習などで実戦感覚を磨いたが、今年は方針が変わった。

 「秋はミスしたら負ける。とにかく基礎をしっかりやろう」と小林徹監督(56)は選手に繰り返し言い聞かせた。さまざまな種類のキャッチボールに、ノック、フリーバッティング。基本的なメニューに割く時間が大幅に増えた。その分、実践練習の時間が減った。小林監督は「公式戦の一戦一戦を栄養にして、実践の力をつけていこう」と秋の大会に臨んだ。

   ◇  ◇

 大会が始まり、指揮官の予想が的中していく。8月25日の県大会予選代表決定戦は船橋に4-3の辛勝。9月22日の県大会1回戦の拓大紅陵戦も2-1でサヨナラ勝ち。ミスの許されない試合が続いた。

 翌々日の市柏との2回戦はさらに厳しい試合になった。三回に1点を先制され、八回まで無得点に抑え込まれた。1点を追う九回、先頭打者の和田泰征選手(1年)が二ゴロに倒れ、ベンチが静まった。次打者にアドバイスしていた竹縄俊希選手(2年)は「メンバーの顔がひきつっていた」と思い出す。

 次打者の角田勇斗選手(1年)が打席に立つと、誰かが叫んだ。「なんでもいい。とにかく塁に出ろ」。下を向いていた仲間も声を張り上げ始めた。角田選手が相手失策で出塁。連打で同点とし、兼子将太朗捕手(2年)が逆転の2点適時三塁打を放つ。最後まで粘り、相手のミスから好機を作り、逆転勝ちをつかんだ。

   ◇  ◇

 根本翔吾主将(2年)は「この試合でチームの方向性が決まったと思った」。竹縄選手も「ミスせず、粘り強く食らいついていけば勝てるという自信がついた」と振り返る。試合後のミーティングで、スコアラーでムードメーカーの小杉秀次朗選手(2年)が言った。「諦めずに声を出し、戦い続けられるのは俺たちの強みだ」

 3回戦、準々決勝はコールド勝ち。準決勝の銚子商戦は相手が5失策と崩れる中、無失策で6-1と快勝し、関東大会進出を決めた。4強に残ったチームの中で最少失策、最少失点の成績だった。

 10月7日の中央学院との決勝は一回、四球と送球ミスでピンチを迎え、4番に2点適時二塁打を浴びるなど3失点。三回にも3点を失った。四回以降は救援の山内翔太投手(1年)が無失点に抑えたが、七回に2点を返すにとどまった。流れを作れず、優勝を逃した。

 関東大会進出を喜ぶ一方で、竹縄選手は「関東大会まで1カ月もない。県大会と同じ状態では甲子園は遠い」と先を見据えていた。

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