特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

起こせ啓新旋風

センバツ2019 チームの軌跡/上 「無い無い尽くし」新チーム 選手間の競争高める /福井

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
センバツ出場を決め、帽子を投げて喜ぶ啓新の選手たち=福井市で、山田尚弘撮影 拡大
センバツ出場を決め、帽子を投げて喜ぶ啓新の選手たち=福井市で、山田尚弘撮影

 <第91回選抜高校野球>

 25日、啓新の竹原翔選手(1年)は、センバツ出場決定を告げる荻原昭人校長(52)の声を夢見心地で聞いていた。「実感が湧かない。あの甲子園に行けるなんて」。竹原選手の脳裏には、昨夏目に焼き付けた聖地のグラウンドやスタンドの風景が浮かんでいた。

 啓新野球部は2012年創部。17年に春の県大会で優勝するなど力を付けてはいたが、甲子園は遠かった。

 チームを率いて1年足らずの植松照智監督(39)は、就任から間もなく決断した。チームとして、初めて甲子園見学に行く。「本当はプレーをする場所。葛藤はあったが、子どもたちに本物を見せるというのが学校の方針でもあった」と語る。

 観戦したのは、甲子園常連校でもある近江(滋賀)と智弁和歌山(和歌山)の一戦だった。竹原選手は「熱気もすごかったが、驚いたのはレベルの高さ。自分もあの舞台に早く立ちたいと思った」と振り返る。

 全国の舞台への決意を新たにスタートした新チームだったが、植松監督は課題を感じていた。投打ともに中心選手がいない。「無い無い尽くし」で始まったチームだった。

 啓新には例年、核となる選手がいた。昨年はエースで4番の上ノ山倫太朗選手、一昨年は、現阪神の右腕、牧丈一郎選手がチームを引っ張った。対照的にエースもスラッガーも不在の中、植松監督が意識したのは「選手間の競争意識を高める」ことだった。

 レギュラーを固定せず切磋琢磨(せっさたくま)させる。紅白戦では選手たちに戦術を考えさせて実行させる。こうした練習は一体感を高め「チームのために自分は何ができるか」との意識を植え付けた。「卓越した選手はいない。でもチーム力で戦える」。自信を深めた啓新ナインは昨年8月に開幕した秋の県大会に臨んだ。

    ◇   ◇

 3月23日に開幕する第91回選抜高校野球大会への出場を決め、春夏を通じて初の甲子園に挑む啓新。チームの歩みを振り返った。

次に読みたい

あわせて読みたい