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第103回全国高校野球選手権

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米東・春への軌跡 第1部/2 けが克服、会心の決勝打 頼れる主砲、完全復活 /鳥取

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中国大会初戦の開星戦でサヨナラ打を放つ米子東の福島悠高選手=岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで2018年10月26日、益川量平撮影 拡大
中国大会初戦の開星戦でサヨナラ打を放つ米子東の福島悠高選手=岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで2018年10月26日、益川量平撮影

 <第91回選抜高校野球大会 センバツ>

 選抜高校野球大会の出場校選考の重要な参考資料となる中国地区大会への出場権が掛かる、昨秋の県高校野球大会。9月22日の開幕5日前、米子東不動の4番、福島悠高選手(2年)をアクシデントが襲った。練習試合で左足の太ももを負傷した。全治3週間。「歩くのがやっとだった。チームに迷惑をかけてしまうという気持ちでいっぱいだった」(福島悠選手)。

 主砲の戦線離脱でチーム内にも動揺が走った。主将の福島康太選手(2年)は部員らが浮足立たないよう声をかけた。「悠高は(10月26日開幕の)中国大会には万全な状態で戦える。悠高に悔いが残らないよう、俺たちだけで県大会を勝ち進もう」

 県大会初戦2回戦の八頭戦はコールド勝ち。だが続く準々決勝は、鳥取工相手に八回まで0-1と劣勢に。散発3安打に抑えられ、反攻の糸口さえ見えない。窮地を救ったのは本多翔選手(2年)だった。同回裏「自分が流れを変えたい」と左翼線へ痛烈な二塁打を放ち、逆転勝ちの呼び水とした。

 勝てば中国大会への出場権が得られる準決勝の強豪・倉吉東戦。紙本庸由(のぶゆき)監督が福島悠選手を呼び寄せた。「医者からも許可を得ていたが、大事を取り負担が少ない守備位置で」(紙本監督)と先発マスクをかぶせた。

 2点を返し同点に追いついた六回無死二塁、紙本監督の心配を吹き飛ばすかのように豪快に振ったバットは左翼へ勝ち越しのアーチをかけた。「五回まで自チームが無安打に抑えられていたので、ここで決めないと、と思った」と福島悠選手。岡本大翔選手(1年)も「思いっきり振り抜けた」とアベック弾も飛び出し5-4と接戦を制し、1995年以来となる決勝進出を果たした。

 中国大会初戦の相手は、島根の強豪・開星。点を取れば取り返される気の抜けない展開となった。試合を決めたのは完全復活を遂げた主砲の一打だった。十回裏、外角の直球に必死でくらいつき、パワーで右前へはじき返して決勝打とした。

 福島悠選手は「県大会では1試合しかスタメンで出られず、チームに申し訳なかった。連れてきてもらった中国大会、1試合で終わらせたくなかった」。185センチ、95キロの頼れる主砲が、精神的に大きくなって帰ってきた。=つづく

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