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第103回全国高校野球選手権

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常笑高商

チームの軌跡/1 「一枚岩」で始動 先輩と比較、危機感 /香川

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練習前に真剣な表情でミーティングする高松商の選手たち=高松市松島町1の同校で、潟見雄大撮影 拡大
練習前に真剣な表情でミーティングする高松商の選手たち=高松市松島町1の同校で、潟見雄大撮影

 <第91回選抜高校野球大会 センバツ>

 昨夏の香川大会で3回戦敗退が決まった7月16日。相手の高松に延長で勝ち越され、途中登板の香川卓摩投手(2年)や先発出場した飛倉爽汰選手(同)は、引退が決まってうなだれる3年生を見つめていた。「先輩たちの方が力が上だったのに」。甲子園へ行くことの難しさを見せつけられた。

 2人をはじめとした2年生は2016年のセンバツで準優勝した高松商の戦いぶりに感動し、同校へ進学を決意した選手が大半。香川投手は当時、甲子園に3度応援に駆けつけ、今でも試合を収めたDVDを見返す。飛倉選手も、眠い目をこすりながら深夜のダイジェスト放送まで見た。夢舞台で躍動した先輩や、一つ上の3年生に自分たちは及ばない--。「もっと高い意識を持たないと」。新チームで主将を任された飛倉選手が抱いたのは、危機感だった。

 夢よりもまず、現実を見つめた。「自分たちは弱い」。認めたくはなかったかもしれないが、だからこそ夢をかなえるためのすべも見つけた。新チーム始動後に毎日のように開く選手だけのミーティングで、飛倉主将は呼びかけた。「一枚岩になろう」

 すべての行動が野球の実力に結びつくと考え、私生活から見直すことにした。普段のごみ拾いや、散らかっている他人の靴の整頓。香川投手は「周りへの気配りができる人間になれば、試合でも相手の小さな変化を見逃さなかったり、仲間を奮い立たせる声かけができたりするようになる」と語る。

 迎えた昨秋の県大会。センバツの出場校選考の参考資料になり、目標への一歩目だ。高松商はノーシードからの出場で実力校との試合が続く。だが、香川投手は「不思議だけど、負ける気がしなかった」。3回戦は17年夏に甲子園へ出場した三本松と対戦し、2-1でものにする。わずか2安打で、適時打もない。香川投手も最終回に2死満塁の危機を迎えたが三振で封じた。

 仲間が自分を見てくれているという安心感は動揺を抑え、積極的なプレーを生み出した。先輩たちとの力の差を感じ、さいなまれた選手たち。だが、「一枚岩」で戦う高松商のベンチには、いつしか笑顔があふれるようになった。=つづく

     ◇ 

 高松商にセンバツ出場決定の便りが届いた。課題を乗り越えて来た選手や支えてきた人たちに笑顔の花が咲く。その花をさらに満開にするために目指すのは、3年前の準優勝を上回る春の頂だ。平成最後の夢舞台で奮闘を誓う選手らの成長を追う。(この連載は潟見雄大が担当します)

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