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大企業は活況も庶民は無関係 戦後最長も戦略描けぬ「実感なき景気拡大」

実質GDP成長率の推移と主な景気拡大期

 政府は29日に公表した1月の月例経済報告で、国内景気は「緩やかに回復している」との判断を維持し、2012年12月に始まった景気拡大が「戦後最長になったとみられる」(茂木敏充経済再生担当相)との認識を示した。拡大期間はこれまで最長だった02年2月~08年2月の73カ月(6年1カ月)を抜き、74カ月(6年2カ月)に達する。だが、成長率や賃金の伸びは過去に比べ低く、「実感なき景気拡大」との声もある。産業構造の転換も進んでおらず、新たな成長路線は描けていない。【大久保渉、宇都宮裕一】

 「景気の波って私たちとは無関係の話よ」。1月下旬、東京都江東区にある砂町銀座商店街。買い物に訪れた同区内の女性(66)はため息をついた。家賃約4万円の都営住宅で暮らす。昨年まで郵便局の契約社員として働いていたが、月給は約13万円で「ここ数年、増えた実感がない」。今は月7万円強の年金だけでは足りず、シルバー人材派遣センターの紹介で月約5万円の仕事をこなし、生活を切り詰める。商店街で70年続く総菜屋の男性店主(55)も「景気が拡大している気がしない」と嘆く。売上高はバブル期の6割程度で、客離れで閉店する店も増えているという。

 12年12月に始まった今回の景気回復を主導するのは企業部門だ。金融緩和による円安と世界経済の回復で輸出産業を中心に業績が改善。トヨタ自動車など大手企業は過去最高益に沸く。財務省の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は13年度に59.6兆円と7年ぶりに過去最高を更新して以降5年連続で最高となり、17年度は83.6兆円にまで膨らんだ。好調な企業業績に人手不足が重なり、有効求人…

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