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平成の事件ジャーナリズム史

元社会部長の小川一が個人的体験を交えながら「平成の事件ジャーナリズム史」を振り返ります。

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(3)連続幼女誘拐殺人事件 大展開の報道、被害者側への配慮欠く

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実況見分に立ち会う宮崎勤・元死刑囚=1989年8月20日撮影
実況見分に立ち会う宮崎勤・元死刑囚=1989年8月20日撮影

 平成元年、1989年8月に発覚した連続幼女誘拐殺人事件は、1カ月以上も新聞各紙の1面、社会面、テレビのニュース枠を占拠する大展開の報道になりました。捜査の進展を同時進行で報じることは、結果として幼女たちがどのような残虐な仕打ちをされたかを詳細に伝えることにつながります。何をどこまで報じるのか、報道の現場は、それぞれに悩み、被害者の名誉や遺族の気持ちについて配慮を重ねていました。しかし、過去にないような報道の量に、その配慮が十分とは言えない面もありました。

 事件を振り返ります。宮崎勤・元死刑囚が幼女の殺害を自供したことが明らかになったのは8月10日のことでした。ここでは実際の警察取材がどのように行われているかを示す意味を含め、少し長くなりますが、私たち報道機関がこの情報をどのように入手し報じていったかを記しておきたいと思います。この日、毎日新聞が「八王子署に強制わいせつの疑いで逮捕された東京都五日市町(現あきる野市)に住む男が、N・Aちゃん殺害を自…

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