東京電力福島第1原発事故と東日本大震災で、南相馬市などの避難者に対する仮設住宅の提供が3月末で終了する。引っ越しの準備を進める住民の中には、避難指示が解除された地域の自宅やなじみの薄い土地で始まる生活に不安を抱く人も少なくない。南相馬市で最大のプレハブ仮設、牛越(うしごえ)仮設住宅を訪ね、課題や支援のあり方を考えた。
「引っ越しは軽トラ運転して自分でやるよ」。原町区中心部の牛越仮設住宅に住む矢口謙介さん(86)は、2月に南相馬市小高区の自宅へ戻る予定だ。矢口さんにとって仮設住宅の閉鎖は、小高区に戻る「踏ん切りをつけるきっかけ」だという。提供期間のぎりぎりまで仮設住宅に住み続けたのは、妻の介護をするなか、交通の便がよくて買い物にも困らない原町区を離れることにためらいがあったからだ。
この記事は有料記事です。
残り1081文字(全文1440文字)
毎時01分更新
◇「最悪想定」軽視 医療崩壊招く コロナ禍にあえぐこの国は…
南米ブラジル北部アマゾナス州で新型コロナウイルス流行の「第…
米国の新型宇宙船「クルードラゴン」で2020年11月に国際…