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第103回全国高校野球選手権

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起こせ啓新旋風

センバツ2019 チームの軌跡/中 星稜戦を自信に 「粘り強さ」最後まで /福井

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2018年秋の北信越地区大会決勝で堂々の投球を見せた啓新の浦松巧投手(右)=新潟市中央区のハードオフエコスタジアムで、塚本恒撮影 拡大
2018年秋の北信越地区大会決勝で堂々の投球を見せた啓新の浦松巧投手(右)=新潟市中央区のハードオフエコスタジアムで、塚本恒撮影

 <第91回選抜高校野球>

 マウンドに上がる前、浦松巧投手(2年)は両拳が震えるのを感じた。昨年10月、新潟市であった北信越地区大会決勝の星稜(石川)戦。継投の直前にチームは大会屈指の好投手から2点を奪い、同点に追いついたばかり。「長い試合になる」。予感通り、試合は延長十五回までもつれて再試合となる。持ち味とする内角への配球がさえた浦松投手は8回を投げて1点も許さなかった。

 「粘り強さ」。チームの強みを尋ねると、選手たちはそう口をそろえる。星稜との試合で見せた粘りは、スラッガーもエースもいない「無い無い尽くし」で始まったチームが成長した証しでもあった。

 昨秋は県大会3位決定戦、北信越地区大会の準々決勝と準決勝をいずれも1点差で制した。決勝進出をかけて臨んだ上田西(長野1位)戦では、相手投手が盗塁に気付かず無人の一塁に送球するという運まで味方につけた。苦しい試合を経験するたび選手たちはタフになり、やがて自信も芽生えていった。

 どんな試合展開でも粘り強く接戦に持ち込めば、勝利が転がり込んでくる。抑え投手として10番を背負った浦松投手は「勝っていても負けていても終盤にパワーを出せる」と胸を張る。みなぎる自信がチームを強くする。

 星稜戦の直前、植松照智監督(39)は「ここまで来られるとは思っていなかった」と率直に語っていた。投打で際だった選手がいなかったためだが、一丸となった戦いぶりを身につけたチームに「一戦ごとに選手たちが成長し、つながりが生まれた」と目を細める。

 部員41人を率いる穴水芳喜主将(2年)は「弱い弱いと言われ続けた自分たちが決勝に進み、星稜を相手に再試合までできたのは自信になった」と振り返る。だが、満足はしていない。星稜との再試合は4-7で敗れ、課題は残した。「やるからには勝ちにいく。甲子園での目標は一戦必勝です」。センバツの開幕は3月23日。穴水主将は課題解決に向けた覚悟を決めていた。

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