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第103回全国高校野球選手権

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米東・春への軌跡 第1部/3 アウェーに動じず気楽に 「普段の練習」に手応え /鳥取

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中国大会準決勝の呉戦で、延長十三回を完投勝利した米子東の森下祐樹投手=岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで2018年11月3日、戸田紗友莉撮影 拡大
中国大会準決勝の呉戦で、延長十三回を完投勝利した米子東の森下祐樹投手=岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで2018年11月3日、戸田紗友莉撮影

 <第91回選抜高校野球大会 センバツ>

 23年ぶりに秋季中国大会の準々決勝に進んだ米子東の次の相手は、岡山の覇者・倉敷商。倉敷市の球場で行われた試合は、観客の大半が倉敷商の応援団という“アウェー”の雰囲気で始まった。

 初回の表の守備、いきなり1点を失った。相手校の大応援が聞こえる中での先制点。嫌な空気も生じると思われたが、選手たちに動揺はなかった。「この雰囲気はめったに体験できない。いつも通り楽しもう」と声を掛け合った。

 攻撃では徹底的にボールを選んだ。低めのボールは見送り、きわどいコースはカットで食らいついた。甘く入った球はバットを振り抜き、相手投手を萎縮させた。チーム戦術が見事にはまり、14四死球を選び8-6で競り勝った。最多タイの3四球を選び、2度生還した山内陽太郎選手(1年)は「普段の練習からボールの見極めを追求している。その結果が出た試合だった」と手応えを口にし、大一番となる準決勝に駒を進めた。

 準決勝の相手は、2大会前の秋季中国大会で準優勝した呉(広島)。チームは対策として、準々決勝から準決勝までの5日間を相手投手が得意とするスライダー練習に充てた。マシンだけでなく紙本庸由(のぶゆき)監督自らも打撃投手を務め、一人数百球以上を打ち込んだ。

 準備を整えて臨んだ試合だったが、打者1巡目は一人の走者も出せなかった。しかし2巡目になると相手のスライダーにタイミングが合い出し、四回から3イニング連続で得点を挙げて3-1とリードした。

 だが、七回に失点して1点差で迎えた九回裏、森下祐樹投手(2年)が「投げ急いだ」と2死一塁から2連打を浴びて同点。十回裏にはランナーを二塁に背負いサヨナラ負けのピンチを迎えた。だが、伝令で駆けつけた野村大和選手(2年)ら仲間たちからの「気楽に投げろ」との言葉で気負いが取れ、ピンチを切り抜けた。3点をリードした十三回裏には2点を奪われたものの最後の打者を左翼フライに打ち取ると、大きなガッツポーズで喜びを爆発させた。福島康太主将(2年)は「遠くから駆けつけてくれたOBや地域の方々の応援がすごく力になった」。

 決勝戦はセンバツで過去3回の優勝経験がある全国区の名門・広陵(広島)相手に2点を先制したものの逆転負けし、54年ぶりの優勝はかなわなかった。ただ、中国大会決勝に進出したことで、23年ぶりのセンバツ出場を大きくたぐり寄せた。=つづく

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