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余録

その昔、人をののしると罪になるという時代があった…

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 その昔、人をののしると罪になるという時代があった。それも重いものは流罪になったというから生半可(なまはんか)な罰ではない。鎌倉時代の御成敗式目(ごせいばいしきもく)に定められた「悪口(あっこう)の咎(とが)の事」で、いわゆる「悪口罪」である▲こんな罪ができたのは荒々しい武士の時代となり、悪口をきっかけに殺す、殺されるの争いが頻発したかららしい。悪口罪などというと一見争いの少ない時代の話かとも思うが、まったく逆で悪口が「闘殺(とうさつ)」になるのを防ぐ策だった▲ひるがえって言論は自由の現代だが、部下へのパワハラや公人の発言のポリティカルコレクトネス(政治的適切性)には厳しいチェックが入るのがお約束である。そんな時代にあって、耳を疑うような自治体首長の「これぞ暴言」だ▲「立ち退きさせてこい。火をつけて捕まってこい」。道路の用地買収が進まないのに業(ごう)をにやした兵庫県の泉房穂(いずみ・ふさほ)明石市長が部下に放った言葉という。「燃やしてこい。今から建物。損害賠償、個人で負え」とは先の発言の続きである▲悪質な地上げ屋そこのけのドスのきかせぶりだが、背景には死亡事故の起きた道路の拡幅が遅れたいらだちがあったようだ。当の泉市長はきのうの記者会見で「パワハラという以上にひどい発言」と認め、「申し訳ない」と謝罪した▲自らの処分や進退について市長は「処分は当然と思う。市長選が迫っており、市民の皆さんの判断を仰ぎたい」と述べた。施策への評価にもまして“暴言の罪”の審判を押しつけられた市民の困り顔が目に浮かぶ。

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