起こせ啓新旋風
センバツ2019 チームの軌跡/下 打撃陣、練習に汗 全国見据え課題克服 /福井
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ほの暗い室内に選手たちの大きな声が飛び交った。「よし、気合入れていこう」。チームのセンバツ出場が決まった翌朝の26日、福井市内にある室内練習場。折からの寒波で市内は雪に包まれたが、選手たちは白い息を吐きながら真剣なまなざしでバットを振り込んだ。
粘り強さを身上に昨年10月の北信越地区大会で準優勝したチームだったが、決勝は好投手擁する星稜(石川)に延長十五回を引き分けたすえ再試合は4-7で敗れた。悔しさをにじませながらも選手たちは甲子園での活躍を期し、それぞれの課題と向き合っている。
「勝てたかもしれない」。延長十五回を2ー2で引き分けた星稜との一戦について、打線の中軸を担った穴水芳喜主将(2年)はそう振り返る。
あの日、チームは延長に突入した後も得点圏に走者を進めた回があった。全国区の知名度を誇る星稜を相手に粘り強く戦い、自信にはなった。ただ、こうも思う。「投手陣が踏ん張ってくれたのに、どうして『もう1本』を打てなかったのか」
チーム打率は、昨秋の公式戦10試合で2割8分7厘。センバツ出場を決めた32校の中では中位より下に沈む。投手を中心に守りからリズムをつくるスタイルは確立されつつあるが、マウンドをもり立てる打撃陣はもう一息の状態から抜け出せずにいる。「全国で戦うためレベルアップしなければ」。練習はうそをつかない。バットを振る手にも力が入る。
穴水主将ばかりではない。身長180センチ、体重70キロの小野田渉冴選手(2年)は「体の線が細い。体重を増やし体幹も鍛えることでスイングスピードを上げたい」とダンベルを使った筋力トレーニングに力を入れる。チーム一の俊足、刀根宗太郎選手(同)は「秋の大会は三振が多かった。足を生かすため出塁率を上げなければ」とティーバッティングなどに汗を流す。
課題がどこにあり、どうすれば克服できるのか。選手自ら考え、練習を重ねる。そんな選手たちに、植松照智監督(39)は「謙虚に練習ができている。冬の間の基礎練習がグラウンドに立った時どう花開くか。今から楽しみです」と目を細める。球春の訪れを今かと待ちわびている。=この連載は塚本恒が担当しました
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