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中心でリアルな存在感
■男優主演賞 柄本佑「きみの鳥はうたえる」
柄本に「他の俳優の良い面を引き出した」「本年は出演作が多く成長している」などの称賛が集まる。山崎に「存在感ある演技に圧倒」、東出に「2役を確かな演技プランで演じた」との評価。第1回投票で柄本5、山崎1、東出1。
<講評>昨年9月1日に東京都内の映画館で行われた「きみの鳥はうたえる」の初日あいさつ。「感慨深い。真剣に遊び、真剣に楽しんでできた宝物のような作品です」と切り出した柄本佑の声が耳に残っている。書店で働く「僕」(柄本)と同僚の「佐知子」(石橋静河)、失業中の「静雄」(染谷将太)の3人のひと夏を切り取った。「海炭市叙景」などで知られる故佐藤泰志氏の小説を三宅唱監督が東京から函館に舞台を移し、時代設定も1970年代から現代に置き換えてみずみずしく映像化。中心にいたのが柄本だった。青春の甘酸っぱさとほろ苦さ。芝居をしていないかのように、あの夏、あの場所にただリアルに存在してみせた。その技量たるや群を抜いていた。(佐藤雅昭)
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