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舞台をゆく

大阪市・島之内周辺(田辺聖子「道頓堀の雨に別れて以来なり」) オトナの粋のDNA

 「道頓堀の雨に別れて以来なり」は、大阪の老舗川柳雑誌「番傘」の初代主幹・岸本水府(1892~1965)を中心に、近現代の川柳人とその時代を描いた評伝小説。若き日の水府と、田辺聖子さんが「オトナの文学」と呼ぶ川柳を育んだ街、大阪・島之内かいわいを歩いた。【山田夢留】

 明治から戦後までを描く2500枚の大作は、田辺聖子さんが母親に聞いた思い出話から始まる。大阪・ミナミで食事した若い日の両親。父は母に「ここ、水府はんの来はる店やデ」と「嬉(うれ)しげに、誇らしげに」言った。「水府はん」といっても、面識はない。大阪の人や街に流れる情緒を詠んだ水府が、古い大阪人にとってそれだけ誇りと親しみを感じさせる存在だったのだ。

 「番傘」創刊翌年の大正3(1914)年、水府は島之内で「恩人」食満南北(けまなんぼく)に出会う。当時、南北が相合橋北詰めに開いていた歌舞伎グッズの店「歌舞伎店(かぶきだな)」の2階を、句会会場に借りたのがきっかけだった。初代中村鴈治郎の座付き作者として高名だった南北だが、水府ら若者にも偉ぶらず仲間に加わると、非売品だった「番傘」に定価を付けさせたり、歌舞伎役者を川柳仲間に引き入れたり。一気に「番…

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