- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
1月下旬の平日。夕日が沈み始めたころ、授業を終えた選手たちが少しずつグラウンドに集まり始めた。人数がそろい、選手のかけ声でグラウンドに活気が出てくるのは午後5時近く。7時間目の授業を終え、急いで練習着に着替えて川井政平監督(44)が姿を見せるころ、辺りは薄暗くなりかけていた。
石岡一の平日の練習時間は2時間半~3時間程度。選手は自宅から電車や自転車などで通学している。室内練習場も無く、照明設備も整っていないため、日の入りが早い冬場は練習メニューも限られる。そんな恵まれた練習環境とは言えない中、2016年から2年連続で春季関東大会に出場するなど実績を残してきた。09年に就任した川井監督は「施設面など練習環境を私立校と比べてもどうしようもない。その分、練習では内容や質にこだわっている」と話す。
選手がなかなかそろわない平日には三~四つのグループに分けて打撃や筋力強化などに取り組む。時間や回数で区切り、学年に関係なく約10人のグループ練習で効率アップ。昨秋の県大会で4割超の高打率をマークした武田翼左翼手(2年)は「少人数で打撃練習を行うため球数を多くこなせる。全体練習よりも自分の課題を見つけやすい」と成果を口にする。
石岡一には普通科のほかに、野菜の栽培などを学ぶ園芸科、剪定(せんてい)技術などを学ぶ造園科といった農業系学科があり、女子マネジャーを含む部員49人のうち約4割が同学科で学ぶ。学校から約4キロ離れた農場で実習授業があるため、遅れて練習に参加することも多い。それでも園芸科の塚本圭一郎二塁手(1年)は夏場にあるネギの栽培実習を例に挙げ、「炎天下に中腰で除草作業などを行うが、それが下半身強化にもつながっているのでは」と前向きだ。
限られた条件の中で、選手はできることに全力で取り組み、コツコツと努力を重ねてきた。その成果が実り、センバツ切符をつかみ取った。【川崎健】
◇
今春のセンバツ大会に21世紀枠で選ばれ、春夏通じて初の甲子園出場を決めた石岡一。第1部では、恵まれない練習環境の中で着実に力をつけ、夢舞台にたどり着いたチームの軌跡を追った。
時系列で見る
-
センバツ19 元主将、松田凌真さん(19) 米子市 /鳥取
1696日前 -
19’センバツ龍谷大平安 軌跡/下 仲間信じ近畿王者に /京都
1696日前 -
市和歌山/中 手堅い攻守、勝利手繰り寄せる 好機で着実に得点へ /和歌山
1696日前 -
/下 筑陽学園 自主性と分析力 考え、行動し勝利目指す /福岡
1696日前 -
チームの軌跡/4 明治神宮大会 仲間の助言で平常心 /香川
1696日前 -
これが平成のセンバツ 甲子園歴史館で4月7日まで /兵庫
1696日前 -
明石商、ポスターで送るエール 谷山美術部長デザイン /兵庫
1696日前 -
津田学園 筋トレに励む選手たち 勝ちたい思いぶつけ /三重
1696日前 -
第91回選抜高校野球 大忙し、うれしい悲鳴 習志野高校後援会長・熊倉一夫さん /千葉
1696日前 -
石岡一センバツ初出場 第1部・夢舞台への道のり/上 限られた条件で成果 グループ練習で効率アップ /茨城
1696日前 -
/7 第63回大会(1991年) 65年ぶり、決勝で再戦
1697日前 -
富岡西の軌跡/中 意地見せ四国大会へ 「ノーサイン野球」結実 /徳島
1697日前 -
センバツ2019 チームの軌跡/下 打撃陣、練習に汗 全国見据え課題克服 /福井
1697日前 -
/中 筑陽学園 敗戦からの変革 投手陣生かす配球の妙 /福岡
1697日前 -
19’センバツ龍谷大平安 軌跡/中 勝てる戦い方を確立 /京都
1697日前 -
米東・春への軌跡 第1部/4止 やるべきことを明確に 目標可視化で意識改革 /鳥取
1697日前 -
2019センバツ明石商/5止 投手力の底上げ図る 冬が勝負、走塁技術も磨きかけ /兵庫
1697日前 -
市和歌山/上 敗戦引きずり不安の船出 ほめる指導、選手鼓舞 /和歌山
1697日前 -
チームの軌跡/3 四国大会 役割考え層に厚み /香川
1697日前