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第94回センバツ高校野球

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躍動の季節

市和歌山/中 手堅い攻守、勝利手繰り寄せる 好機で着実に得点へ /和歌山

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和歌山東との和歌山県2次予選準々決勝の延長十一回裏市和歌山1死二塁、片上の中越え打でサヨナラの本塁を踏む上原(右)=和歌山市の県営紀三井寺球場で2018年10月1日、砂押健太撮影 拡大
和歌山東との和歌山県2次予選準々決勝の延長十一回裏市和歌山1死二塁、片上の中越え打でサヨナラの本塁を踏む上原(右)=和歌山市の県営紀三井寺球場で2018年10月1日、砂押健太撮影

 <第91回選抜高校野球大会 センバツ>

 秋季近畿大会につながる昨年10月の県2次予選出場を決め、市和歌山は好機で着実に得点することに重点を置いた。より強いチームと当たる2次予選では大量得点が望めず、プレーの確実性を高めることが必須だった。

 ただ、練習の難度を上げることはせず、選手のレベルに合ったメニューにした。半田真一監督(38)は「当たり前のことが試合できちんとできるように徹底する。チームの実力を最大限引き出すため、易しい練習を通じて選手に『できる』という安心感を持たせる必要もある」と意図を明かした。バッティングマシンのボールを打ちやすいようあえて緩いスピードに設定し、走者が出た場面での犠打やスクイズなどの練習を繰り返した。

 同月1日の和歌山東との2次予選初戦は、両チーム主戦の好投で、予想通りロースコアの展開となった。1-1で迎えた延長十一回。市和歌山は先頭の上原拓海選手(1年)が振り逃げで出塁すると、米田航輝主将(2年)が初球を投手の前にうまく転がし、犠打を成功させた。「こういう場面は何度も練習した」と平常心だった。

 続く1死二塁に打席には片上柊也選手(2年)を迎えた。「初球は直球で来るはず」。それまでの4打席はほとんど変化球がなく、そう読んだ。狙いは的中。低めに入った直球を振り抜くと、打球は中堅手の頭上を越えた。二塁の上原選手は一気に本塁へ。右手を高々と挙げ「よっしゃー」と雄たけびを上げてサヨナラの生還を果たした。少ないチャンスを確実にものにする練習が実を結び、選手たちは肩をたたき合って労をねぎらった。半田監督も「接戦で勝ち切れたのは良かった」と語った。

 接戦を制し、チームは勢いづく。準決勝では終盤の集中打で田辺に6-1で快勝し、決勝はこの夏の和歌山大会決勝でも対戦した智弁和歌山を迎えた。

 市和歌山は一回に先制すると、三回は3安打に犠打も絡めて2得点。四回には相手投手の乱調で得た2死満塁から山野雄也選手(2年)が「絶対に還す」と二塁打で2点を加え、6-0と順調にリードを広げた。しかし、終盤相手の反撃を許し、6-9と逆転負け。流れを完全に持っていかれ、後半の粘りに課題を残した。

 ただ、強豪を追いつめ、半田監督は「敗れはしたが、智弁相手に気後れせず、好機にきちんとつなぐことができた。選手たちの底力を見ることができた」と成長ぶりを語った。手堅い攻守で勝利を手繰り寄せるスタイルが確立しつつあった。【後藤奈緒】

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