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第94回センバツ高校野球

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常笑高商

チームの軌跡/4 明治神宮大会 仲間の助言で平常心 /香川

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明治神宮大会の八戸学園光星戦で3点本塁打を放ち、仲間に迎えられる高松商の立岩知樹選手(右端)=東京都新宿区の明治神宮野球場で2018年11月11日、潟見雄大撮影 拡大
明治神宮大会の八戸学園光星戦で3点本塁打を放ち、仲間に迎えられる高松商の立岩知樹選手(右端)=東京都新宿区の明治神宮野球場で2018年11月11日、潟見雄大撮影

 <第91回選抜高校野球大会 センバツ>

 地区大会を勝ち抜いてきたチームがそろう明治神宮大会。高松商にとって、自分たちの力が全国でどの程度通じるかを見極める絶好の機会だ。

 突出した選手がいない中、いかに勝利をたぐり寄せるか。新チーム結成以降、選手らは試合中もプレーの修正に挑み、流れを引き寄せようとこだわった。それが実を結んだのが、東北地区代表の八戸学院光星(青森)との初戦だ。

 三回までに6点を奪った高松商。だが、相手の小刻みな反撃に遭う。2点のリードを保ちながら、中盤以降はこうちゃく。ようやく八回に1死一、二塁の好機が訪れる。4番・立岩知樹選手(2年)に打順が回ってきた。

 ここまで無安打で1死球。2度の三振を喫し、貢献したい思いが募っていた。戦っているのは甲子園の常連で、テレビの向こうで何度も見てきた学校。知らぬうちに重圧を抱えていた。そんな主砲の気持ちを、仲間の一言が楽にした。

 「体が突っ込んでいる。もっと引きつけて打ったら」。四回に三塁ゴロに倒れた後、ベンチで大塚慶汰選手(同)が声をかけた。県大会や四国大会を勝ち進む中で自信を得た選手らは、悩んでいる仲間にも積極的に助言するようになっていた。周囲が次々、調子のいい時の立岩選手の打撃を語り始める。

 自身も普段のスイングとの微妙な違いを感じていたが、仲間のアドバイスで確信を得た。「高校で初めての全国大会。浮足立っていた」。好調時の打撃フォームを携帯で動画撮影し、繰り返し見ている立岩選手。その時の動きは体に染みついており、平常心になった自分ならすぐに戻すことができた。「逆方向へ強く、低い打球を打とう」

 初球の外寄りの直球を迷いなく振り抜いた。ボールは低い弾道でライトスタンドへ。練習試合を含めて高校で初の本塁打は、相手を振りきる貴重な得点になった。「たまたま」と謙遜する一打に、絶え間ない改善を目指すチームの貪欲さが表れた。

 八戸学院光星に勝った高松商だが、準決勝は北信越地区代表の星稜(石川)に4-7で敗れる。悔しいが収穫もあった。3点は最終回に得たもので、飛倉爽汰主将(同)は「粘り強さや守りは通用する」。一方、スイングスピードは、まだ差を感じた。

 「甲子園で戦おう」。香川卓摩投手(同)は星稜戦後、相手のエース・奥川恭伸投手(同)に言った。球質やピンチでの力の入れ具合など、刺激を受けることばかり。ほかの選手も同様に、参考とするプレーや選手を見つけて「全国との距離」をつかんだ。それが、自らの努力次第でいくらでも縮められるものだということも。=つづく

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