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余録

中国の史書には「鬼市」というのが出てくる…

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 中国の史書には「鬼市」というのが出てくる。たとえばだ。「その国は鬼神と竜がすむ。諸国の商人が来て交易するが、鬼神は姿を現さず、ただ珍宝を置いて値段を示す。商人は代価を置いてそれを取る」▲お互いに直接顔を合わせることなく売買や物々交換をする「沈黙交易」である。先の例は岡正雄(おか・まさお)著「異人その他」に紹介されているが、文化を異にする集団間の交易だ。似たような交易方式は日本も含めて世界各地に見られたという▲鬼市の「鬼」は異文化の人々のイメージに由来しようが、珍宝が手に入るならば商人が諸国からつめかけて当然だろう。見知らぬ売り手と買い手が言葉も交わさない今日の沈黙交易の「市」はネット上のオークションやフリマである▲国内のネットオークションのサイトで、ウランとみられる放射性物質が売買されていたという。警視庁が押収して専門研究機関が分析したところ、劣化ウランやイエローケーキと呼ばれるウラン精鉱である可能性が高いのが分かった▲物質は全体で数グラム、放射線量も高くなさそうだが、本来は厳しく管理されている放射性物質である。出品者は警察に「海外サイトで購入した」と説明しているという。まさにえたいの知れない闇から現れた「鬼の珍宝」という次第だ▲ダーティーボム(汚い爆弾)とは放射性物質をまき散らすテロで、この手の物質が入手可能なら脅威になる。現金も、甲子園の土も、呪いのわら人形も出品される現代の「鬼市」、ついに来るところまで来たか。

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