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アフターピル無許可販売、容疑の男を逮捕 ツイッターで集客

宝沢健資容疑者の関係先から押収されたアフターピル=東京都千代田区で2019年2月1日午前10時33分、土江洋範撮影

 緊急避妊薬(アフターピル)を許可なく販売したとして、警視庁生活環境課は1日、仙台市太白区八木山本町2の無職、宝沢健資(ほうざわたけし)容疑者(46)を医薬品医療機器法違反(無許可販売)容疑で逮捕したと発表した。ツイッターで客を募り、フリーマーケットアプリの匿名性を悪用して薬を売りさばいていたという。

 逮捕容疑は昨年7~8月、医薬品販売の許可がないのに、男女4人にインド製で日本では未承認の薬「アイピル」6箱を計約2万円で販売したとしている。逮捕は1月30日。容疑を認め「2年くらい前からやってきた。目的は金を得ることだが、人助けの考えも多少あった」と供述しているという。個人輸入したとみられ、2017年12月~昨年8月で計101万円を売り上げたという。

 同課によると、宝沢容疑者はツイッターで「即日発送」などとアフターピルの販売を宣伝。購入希望者には、フリマアプリを使って「ダミー商品」を購入するよう指示していた。フリマアプリで医薬品を出品すると運営会社に削除されてしまうため、腕時計などのダミー商品を出品し、落札・購入されるとアフターピルを送っていたという。

 フリマアプリでは運営会社が取引を仲介する形を取るため、出品者や落札者の名前や住所などの個人情報を当事者間でやりとりする必要がない。客も身元が明らかになる心配がないため、こうした手法は他の医薬品の不正売買でも悪用されているとの指摘がある。

アフターピル不正売買事件の構図

 東京都薬務課はツイッターで医薬品の販売を宣伝するアカウントを100以上把握している。同課は「フリマアプリでの購入は偽薬の可能性もあり、大きなリスクが伴う」と注意を呼びかけている。【安藤いく子】

1錠1万円前後、入手のハードル高く 

 緊急避妊薬(アフターピル)は排卵を遅らせる作用があり、女性が性交から72時間以内に1錠1・5ミリグラムを飲むと高い確率で妊娠を避けることができる。日本では2011年に認可され、「ノルレボ」という商品名で売られている。副作用はほとんどなく、服用後に妊娠が判明しても胎児に影響はないとされる。

 多くの国では薬局で市販薬として売られているが、日本では医師の診断を受け、処方箋をもらわないと買えない。値段も1錠1万円前後と高額で、入手のハードルは高い。

 性交から服用まで時間がたつほど効力が落ちるとされ、コンドームなどによる避妊に失敗したり、レイプされたりした場合に望まぬ妊娠を避けるには、極力早く服用しなければならない。このため、処方箋なしで買える市販薬にすべきだとの声もある。

 国も17年に市販薬にすることを検討したが、日本産科婦人科学会や日本薬剤師会から「悪用や乱用の懸念がある」などの反対意見が出て見送った。

 日本の中絶件数は年間16万件を超えており、アフターピルの潜在需要は高いとみられる。国は現在、医師に直接会わずインターネットなどを通じた形での「オンライン診療」による提供を模索しているが、実現するかどうかは不透明だ。日本でのアフターピルへのこうした「アクセスの悪さ」が、無許可販売横行の温床となっている可能性もある。【中川聡子】

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