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大手銀行が自社で開発したシステムを、地銀に販売する動きが広がっている。ITを使った新サービスの開発競争が激化する中、早期にシステム開発コストを回収したい大手行と、自前の開発力に乏しい地銀との利害が一致した。従来の親密行の枠組みを超えた大手行間の勢力争いが激しくなりそうだ。
みずほフィナンシャルグループ(FG)は1月30日、手書きの口座引き落とし書類を自動で読み取る人工知能(AI)システムを、来年度から地銀に販売すると発表した。読みにくい文字でも、崩し方のパターンや文脈から類推し、正確に電子データ化できる。これまでは電気料金やクレジットカードなどで手書き書類の形式が異なるため自動化が難しく、行員が手入力していた。作業時間や人員を大幅に削減できるという。
既に鹿児島銀行など地銀6行から引き合いがあり、書類1枚あたり数十円の利用料を徴収することで、開発コストを早期に回収する予定だ。鹿児島銀は歴史的に三菱UFJ銀行と関係が深いが、みずほFGで開発を担当した白河龍弥氏は「事務作業の効率化は銀行共通の悩み。系列に関係なく導入を検討してもらえる」と自信をみせる。将来は、地方自治体などにも販売し、年間数百億円規模の事業にしたい考えだ。
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