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旧中野刑務所の正門保存へ 大正モダニズムの傑作

中野区が現地保存を決めた旧中野刑務所正門=同区提供

 戦前・戦中の政治犯や思想犯らが収容された旧中野刑務所(旧豊多摩刑務所)について、東京都中野区は1日、今も残る正門(新井3)を現地で保存する方針を発表した。正門が建つ跡地南側(約1万3340平方メートル)は現在、国が所有しているが、区はこれを取得し、近隣の区立平和の森小学校を移転させる計画。区は2023年度の新校舎完成と同時に、正門を公開する考えだ。【福沢光一】

    後藤慶二が設計、唯一現存

     「若き天才」と称された建築家の後藤慶二が設計し、1915年に完成したレンガ造りの正門は、大正モダニズム建築の傑作とされる。21年に豊多摩監獄から豊多摩刑務所に改称された。無政府主義者の大杉栄やプロレタリア作家の小林多喜二、文芸評論家の亀井勝一郎らが収容され、哲学者の三木清は獄死した。戦後は米軍に接収されて、中野刑務所となった。

     83年に刑務所が廃止された後、跡地北側は区立平和の森公園などになり、南側は2017年まで法務省矯正研修所の用地として使われた。正門は、完成当時の面影を残す唯一の建築物となっている。

     区によると、平和の森小の移転用地として南側の跡地を取得する計画を立てたところ、区民や建築家から「正門を残してほしい」という強い要望が寄せられた。このため(1)現地保存(内部見学可)2億3100万円(2)現地保存(外部見学のみ)8500万円(3)移築4億6100万円(4)一部保存1億3500万円(5)映像・模型などでの記録保存1300万円――の5案を見積もり、区民や外部識者の意見を聞くなどして「外部見学のみの現地保存」に決めたという。

     同小の保護者からは「正門を残すと校庭が狭くなる」などの声も出ているが、区は隣接地(計約2230平方メートル)も取得し、校庭として運用する方針だ。

     1日に記者会見した酒井直人区長は「正門は後藤慶二が設計し、現存する唯一の作品。日本近代建築史上、高い価値を持つとされる建物を残したい」と述べた。

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