玄海原発

防災訓練、渋滞など課題に バス動けず、回線トラブルも /佐賀

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 九州電力玄海原発(玄海町)の重大事故を想定し県などが2日に実施した原子力防災訓練。玄海町と唐津、伊万里両市の771人が実際に避難し、2290人が屋内退避訓練を経験した。九電など75機関1494人も参加。東日本大震災以降で県が関わった大規模な防災訓練は4回目だが、渋滞の発生など、課題が続出した。

全島避難「自分の船で逃げる」

 「家の中など建物の中に避難してください」。午前9時10分、初の全島避難訓練が実施された唐津市の向島で防災無線が鳴り響いた。午前10時前には島民約30人が小学校分校跡の放射線防護施設に集まった。唐津市職員は「想定では原発で放射性物質が出始めた。向島の方に飛来して1時間20マイクロシーベルトで大きな被ばく量ではない。1週間以内に(島を)出れば人体被害はない状況」と説明。甲状腺への被ばくを防ぐヨウ素剤の服用の仕方も伝えた。

 区長の樋口洋二さん(64)は「事故が起きたら終わり」と声を落とした。原発事故時に放射性物質の拡散を予測するSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)に対し、政府は避難の決定に使うには不確実性があるとしており、県も今回の訓練で使わなかった。樋口さんは「普通、風向きを考える」と不安をのぞかせ「なぎだったらみんな自分の船で逃げる」とつぶやいた。

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