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余録

資源のない国にはぜいたくな悩みに思えるが…

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 資源のない国にはぜいたくな悩みに思えるが、石油や天然ガスを産出する資源国にも陥りやすいワナがある。豊富な財源があるため、ばらまき財政に走りやすい。資源輸出で外貨獲得は容易だが、通貨高や産業政策の軽視で製造業の発展が妨げられる▲「オランダ病」だ。1970年代のオランダが天然ガス輸出で巨額の利益を得て社会保障を充実させる一方、輸出競争力を低下させ、経済を悪化させたことから名付けられた。同国は改革に取り組み、短期間で治癒したが、同様の症状に悩む資源国は少なくない▲極限まで進んだのがサウジアラビアを上回る世界最大の石油埋蔵量を持つベネズエラだ。反米姿勢で知られたチャベス前大統領は石油輸出の利益を貧困層にばらまき、専制政治を維持するシステムを構築したが、石油頼みの経済構造には手をつけなかった▲2013年にマドゥロ氏が後を継いで以降、石油価格の低迷もあり、経済危機が深刻化した。輸入に頼る食品や医薬品の不足が慢性化し、昨年のインフレ率は100万%を超えた▲マドゥロ氏の強引な政治手法への批判も強まる。欧米や中南米諸国の多くが有力野党がボイコットした昨年の大統領選でのマドゥロ氏の「再選」を認めず、暫定大統領就任を宣言した野党指導者を承認して混乱が続く▲資源がないゆえに産業育成にまい進できる国はむしろ幸運かもしれない。無論、発展に成功したからと放漫財政に陥ってはオランダ病と同様の症状に見舞われること疑いないが。

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