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社説

混迷深まる英国政界 離脱日の延期が現実的だ

 英国が欧州連合(EU)からの離脱を巡り、現実的な解決策を見いだせない状態に陥っている。

     メイ英首相は、EUといったん合意した離脱案が議会の支持を得られないことから、EUに改めて修正と再交渉を求める方針に転換した。

     与党・保守党の意を受けての措置だ。ネックとなっている北アイルランドとアイルランドの国境管理問題について、EU側の譲歩を引き出そうとしている。

     再交渉について下院の了承を得たメイ氏は「合意ある離脱へ向けて議会の支持を得られる道筋が見えた」と述べ、前進を強調した。

     しかし、EUのトゥスク大統領は「再交渉はしない」と明言している。EUがメイ氏と約1年半かけてこぎ着けた合意なのだから当然だろう。

     物理的な国境を設けず、いかに通関業務を行うかという国境管理問題は確かに難しい。離脱案には、真の解決策が見つかるまで英国全体がEUの関税同盟にとどまる「安全策」を設けている。これによりEUに縛られ続ける、との離脱強硬派の言い分が分からないわけではない。

     しかし、メイ氏は英国の代表としてEUと外交折衝し、互いに妥協的な合意案をまとめた。それが国内で紛糾したあげく、承認されないからといって、改めて修正を求めるのはいかがなものだろうか。党派を超えた説得も十分とは思えない。

     仮にEUが再交渉に応じ多少の譲歩をしても、英議会がさらに注文を付ける可能性がある。その場合、国際社会における英国の信用度はますます低下するばかりだろう。

     メイ氏は2月13日を新たな離脱案の議会承認期限日として設定した。だが、現状のままでは画期的な打開策は見いだせず、着地点も定まりそうにない。

     EU側はここに来て、離脱延期の要請があれば理由次第で検討の余地がある、との姿勢を見せ始めている。

     英国の意思が一本化してまとまることを条件に、離脱日の延期を英・EU双方で本格的に考え、議論した方がよいのではないか。

     離脱予定日の3月29日まで2カ月を切った。「合意なき離脱」となれば、欧州及び世界経済への悪影響は必至である。離脱日の延期こそ、それを回避する選択肢となるだろう。

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