メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

張競・評 『不意撃ち』=辻原登・著

 (河出書房新社・1728円)

 珠玉の短編を五つ収めた作品集で、いずれも神秘な陰翳(いんえい)を帯びながら、読み手の心を揺さぶる力を秘めている。運命の諸形式は謎のような人生の諸相を通して描き出され、偶然の幼時体験によって、平凡な日常がいかに見えない力によって運び去られるか、計算周到な物語構成と繊細な筆致によって再現されている。

 「渡鹿野(わたかの)」の左巴(さわ)はデリバリーヘルス店の送迎ドライバー。ルミを送迎するときに、一緒に殺人事件の現場を目撃した。この秘密を共有することで、二人は徐々に親しくなっていく。ルミは同棲(どうせい)している男の巻き添えで犯罪組織に追われたため、行方をくらましてしまう。左巴も仕事を辞め、帰郷しようとするところへ、彼女から突然連絡が入る。指定された伊勢神宮近くの島にたどり着くと、思わぬ展開が…

この記事は有料記事です。

残り1151文字(全文1515文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「大惨事になりかねない」マスクやゴム手袋…海に「コロナごみ」、欧州で問題化

  2. なぜ首相は「痛感」した責任を取らない? 安倍流処世術、軽さの原点

  3. 東京都内で206人の感染確認 4日連続200人超

  4. 大阪府立高3校が臨時休校 コロナ感染確認で初の措置 教職員と生徒計2人

  5. 「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」 ツイートが大反響を呼んだ三つの視点

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです