展示「横井小楠とその時代」

光る見識 公議の政治、松平春嶽が傾倒 明治維新の課題見通す 熊本県美

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 <日曜カルチャー>

 幕末の福井藩や幕府の政治改革で活躍した熊本藩士の儒学者・横井小楠(しょうなん)(1809~69年)の没後150年を記念した展示「横井小楠とその時代」が熊本県立美術館(熊本市中央区)で開かれている。ペリー来航後、開国や公議に基づく政治、海軍強化などの提言が当時の政界で注目を浴び、明治新政府も重用した小楠の生涯を、福井藩主・松平春嶽(しゅんがく)に招かれて同藩の藩校教官に赴任した時期を中心に、65点(展示替えあり)で紹介している。【大森顕浩】

 小楠は「為政者は修養を積んで仁政を施す」という理想を基に民を富ませる「民富論」を唱え、鎖国ではなく開国による交易で利益を上げることを求めた。特に重視したのは、多くの者で議論して導き出した政策を採用する「公議・公論」だ。従来の幕府の政治を、徳川家の私利私益で専制的に決める「私」の政治と批判し、朝廷・幕府・諸大名による公議政治の主張につながった。海軍力強化と開国も諸大名と共に実施する挙国一致・統一国…

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