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社説

就労外国人 企業の契約違反 監理団体は何をしていた

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 技能実習の現場で、実習計画とは異なる労働を強いている実態の一端が浮かび上がった。

     三菱自動車工業は、溶接作業を学ぶために受け入れたフィリピン人実習生に、実習計画になかった車の部品の組み立て作業を長年させていた。国は、同社の技能実習計画の認定を取り消し、実習生受け入れを5年間止める措置を取った。

     実習の目的が形骸化していたことを示しており悪質性は高い。多くの実習生が帰国や他社への転籍を余儀なくされた。厳しい措置は当然だ。

     今回の事案は、技能実習制度の抱える構造的な問題を浮き彫りにした。技能実習制度では、実習生と企業の間に監理団体が入り、実習生の派遣や、企業の監督・指導に当たる仕組みになっている。

     監理団体の多くは、企業や業界からの費用で運営されている。このため、チェックが甘く適切な指導が行われにくいという指摘がある。

     4月に施行される改正入管法の下でも、登録支援機関という公的機関ではない組織が、労働者の受け入れで、監理団体と同じ役割を担う。

     今回のケースについて、監理団体は本来の役割を果たしていたのか、国は問題点を洗い出し、今後の教訓とすべきだ。

     契約違反が表面化したのは、国が認可する監督機関「外国人技能実習機構」が調査に入ったからだ。機構は、2017年に施行された技能実習適正化法に基づき創設された。ただし、人手に限りがあり、全ての違反調査に対応し切れていない。実習生は全国で30万人を超える。今回の事案は氷山の一角だろう。

     新設の在留資格「特定技能」への人材供給源として、政府は技能実習制度を温存する方針だ。

     低賃金や長時間労働がはびこる実習制度の現状は、先の臨時国会で強く批判された。国は今回、一罰百戒的に大企業の不正を公にすることで、技能実習に厳しく対応する姿勢を示したかったのだろう。

     しかし、途上国への技術移転とは名ばかりで、企業の人手不足を補う手段として制度が利用されている現実は否定しようがない。技能実習制度を廃止したうえで、単純労働の在留資格を一本化することを改めて求めたい。

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