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女の気持ち

さざえ飯 福岡県久留米市・豊福美佐子(自営業・69歳)

 最後の海になった春の日だった。主人の右足が不自由になり、歩行困難となった。二人とも海が好きで私の運転で近場の海に連れていった。

 昼時、さざえ飯の旗を見つけて2パック買い、海を見ながら食べた。無心に食べていた。

 ドライブに行っても食堂で食べずにお弁当を買い、見晴らしの良い所で食べる。二人ともロマンチックだった。

 おかずの入っていない、サザエとショウガの炊き込みご飯だったが、格別の味だった。「また来ます」と店主に声を掛けたがかなわなかった。それから2年後に主人は他界した。

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