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第94回センバツ高校野球

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福知山成美・野球に恋して

センバツへの軌跡/1 競争心、力の下支えに /京都

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福知山成美のグラウンド。野球部とサッカー部員たちの声が響き合う=京都府福知山市で、佐藤孝治撮影 拡大
福知山成美のグラウンド。野球部とサッカー部員たちの声が響き合う=京都府福知山市で、佐藤孝治撮影

 <第91回選抜高校野球>

 硬球を打ち返す乾いた音が、他の部活動と共有するグラウンドに響く。福知山成美の選手たちには専用の練習グラウンドがない。有名強豪校と比べて練習環境が決して良いとはいえないこの地方の高校だが、毎年多くの部員たちが集い、強いチームを作り上げる。

 普段の全体練習は、井本自宣監督(45)からその日やることの大まかな指示を受け、後は主将を中心に部員たちがウオーミングアップから始めキャッチボールや守備、打撃練習などに取り組む。練習は1日2時間ほど。週1日は休む。これが長年のスタイルだ。

 部員がミスをしても、グラウンドからは怒号の一つも聞こえてこない。多くの高校野球チームを見てきたスポーツ新聞のカメラマンが練習風景を見て、思わずつぶやいた。「伸び伸び練習しているな」。練習内容も分け隔て無く皆が同じメニューをこなす。平等の雰囲気がそこにあった。

 だが決して甘くはなかった。グラウンドを広く使う全体練習は早めに切り上げ、個々で考える練習に時間を与えるのが福知山成美のやりかた。自主練習は決して強制ではないが、それぞれに取り組む課題を見つけて手を抜くものは誰もいない。

 チームの主力打者、原陽太捕手(2年)でさえ「自主性で差がつく」と危機感を隠さない。この方針が全部員に競争心を植え付け、戦い抜く力の下支えになっていた。

    ×  ×

 第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)に、福知山成美が5年ぶり3回目の出場を決めた。いかにして、センバツの切符を手に入れたのか、その軌跡をたどる。【佐藤孝治】=つづく

〔丹波・丹後版〕

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