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第94回センバツ高校野球

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第91回選抜高校野球

明石商支える特製トンボ 用務員・山本さんら、奮闘期待 努力の日々、見てきた /兵庫

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野球部のために手作りしたトンボを手に、エールを送る明石商の用務員たち。右から山本佳人さん、奥井祐太さん、隅田雅也さん、久保誠二さん=兵庫県明石市の同校で、黒詰拓也撮影 拡大
野球部のために手作りしたトンボを手に、エールを送る明石商の用務員たち。右から山本佳人さん、奥井祐太さん、隅田雅也さん、久保誠二さん=兵庫県明石市の同校で、黒詰拓也撮影

 <センバツ高校野球>

 野球部がグラウンド整備に使うトンボを、学校の用務員が手作りしている明石商。「製作係」の一人、山本佳人さん(57)は「部員の努力を毎日見てきた。甲子園でもきっと活躍してくれる」と語り、センバツの開幕を待ちわびている。【黒詰拓也】

 トンボの手作りが始まったのは、山本さんが明石商に赴任した2012年4月。力を付けつつあった野球部にとって、トンボが週に1、2本壊れることが悩みの種だった。ホームセンターなどで買うと1本約5000円。「こりゃ高いで」。山本さんは経費削減のため、トンボの手作りに乗り出した。

 明石市の明石トーカロ球場でグラウンド整備を担当する知人に頼み、球場の道具を見せてもらい、写真に撮った。試作を繰り返すうち、同僚の奥井祐太さん(31)も仲間に加わった。

 山本さんらはトンボを使う部員の様子を観察し、意見も聞き、最適な長さと重さを探った。長さ約150センチの柄の先に縦10センチ、幅60センチ、厚さ1センチほどの板を、電動工具で固定したトンボが完成した。

 部員は土を固める時、板の部分で強く地面をたたくため、すぐ壊れないよう柄と板をつなぐ金具を大きくするなどの改良も重ねた。材料費は1本約500円で済んだ。

 2人は14年から「量産」を開始。手作りのトンボは約30本になった。数年前からは修理が中心で、壊れるたびに直してきた。今では用務員の隅田雅也さん(57)と久保誠二さん(62)も手伝うようになった。

練習後にトンボでグラウンドをならす明石商の野球部員たち=兵庫県明石市の同校で、黒詰拓也撮影 拡大
練習後にトンボでグラウンドをならす明石商の野球部員たち=兵庫県明石市の同校で、黒詰拓也撮影

 手作りトンボは部員たちに大好評だ。丸山祐汰選手(2年)は「持つ部分がつるつるしている」と言い、毎日大切に使っている。

 山本さんは、感謝の思いを伝えてくれる野球部のファンになった。年間50試合ほど観戦し、昨秋の近畿大会では「願掛け」のため神戸市西区の自宅から須磨区のほっともっとフィールド神戸まで2時間半かけて歩いた。山本さんは「トンボを毎日使ってもらい、野球部を身近に感じている。甲子園でも伸び伸びプレーしてほしい」と話した。

〔神戸版〕

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