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社説

代替フロンの規制強化 対策の遅れを取り戻そう

 冷蔵庫などに熱を取る物質(冷媒)として使われる代替フロンについて、政府が業務用機器からの排出規制を強化する。今国会に関係法の改正案を提出する方針だ。

     代替フロンは強力な温室効果ガスだ。地球温暖化対策の重要な柱として、対応を急ぐ必要がある。

     冷蔵庫などの冷媒には特定フロンが使われてきたが、オゾン層を破壊することが分かり、1987年に採択されたモントリオール議定書で使用が規制された。代わりに広く使われるようになったのが、オゾン層を破壊しない代替フロンだ。

     しかし、温室効果は二酸化炭素(CO2)に比べ最大1万倍も高い。このため、2016年に開かれた国際会議で、新たに規制対象になった。日本を含む先進国は36年までに生産・消費量を85%削減する。

     代替フロン対策では、生産・消費規制に加え、ガスを大気に排出しないことも重要となる。ところが、17年度の日本の代替フロン排出量は13年度比で4割も増えてしまった。

     その中でも量が多いのが、業務用機器からの排出だ。廃棄量が増えているのに、回収制度の整備が追いついていない。業務用機器からの廃棄時回収率は30%台にとどまる。

     現在のフロン排出抑制法は、業務用機器の廃棄時に、使用者が代替フロンを回収業者に引き渡すことを義務づけている。だが、違反を繰り返さなければ罰則(罰金50万円以下)は科せられず、違反の現場を取り押さえることも難しかった。違反の防止効果が低いのも無理はない。

     改正案では、代替フロンの回収済み証明書がなければ、処理業者が機器を引き取れなくする。また、1度の違反でも罰金を科す。建物の解体情報を基に、都道府県が現場を立ち入り検査する仕組みも設ける。

     遅ればせながら、回収率の向上につながる見直しだといえよう。

     政府は、代替フロンに代わる冷媒の開発も後押しすべきだ。

     CO2やアンモニアなど自然界に存在する物質を冷媒に使う冷蔵庫やショーケースなどの導入が始まっているが、大型の空調設備ではまだ実用化にはいたっていない。

     世界に先駆けて新冷媒の開発ができれば、環境分野での日本の競争力向上にもつながる。

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