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社説

政府の統計不正と与党 担当幹部の招致なぜ拒む

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 統計不正問題に関する国会審議は衆院予算委員会に舞台を移した。

 行政監視機能を果たすべき国会の真価が問われている。理解できないのは、野党が求める参考人招致に与党が消極的なことだ。

 国の政策決定材料となる政府統計の信用性が疑われてはならない。にもかかわらず、基幹統計56のうち24統計で問題が発覚している。

 その中でも厚生労働省の毎月勤労統計と賃金構造基本統計は、定められた調査方法が守られていなかった点で悪質だ。国民の労働実態を把握する貴重なデータがなぜ長年にわたってずさんに扱われてきたのか。

 毎月勤労統計をめぐっては厚労省の担当部署が昨年からこっそり数値を補正し、その結果、賃金の伸び率が高く出ていた。過去の不正を隠蔽(いんぺい)するためなのか、それとも賃金を高く見せかける意図があったのか。

 真相を解明しなければ、再発防止策のとりようがない。だが、厚労省内では不正の発覚後も根本匠厚労相への報告が遅れた。賃金構造統計については、調査員が行うべき調査を郵送にしていた問題を把握しながら政府内の一斉点検で報告を怠った。

 政府の自浄能力が期待できないのであれば国会の出番だ。両統計の責任者だった厚労省幹部の参考人招致を野党が求めるのは当然だろう。

 ところが、与党は招致を拒んだ。今月1日、政策統括官から官房付に更迭され「現在の担当ではない」との理由だ。これでは政府・与党が示し合わせ、国会で答弁させないために更迭したとみられても仕方ない。

 勤労統計不正を調査した厚労省特別監察委員会の樋口美雄委員長の招致は与党も受け入れた。ただし、樋口氏は厚労省所管の独立行政法人の理事長を務めており、その肩書で招致するから監察委に関する答弁は認めないという条件付きだ。そこまでして何を隠したいのだろう。

 森友・加計問題で揺れた昨年の通常国会は、関係者の国会招致をめぐる与野党の駆け引きに多くの時間を費やした揚げ句、財務省の公文書改ざんは未解明のまま残された。

 今回の統計不正も官僚が勝手にルールを変えていた点で重大な問題だ。これを正すのに与党も野党もないはずだが、与党は昨年と同じ過ちを繰り返すつもりなのか。

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