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SUNDAY LIBRARY

小林 聡美・評『猫のためいき鵜の寝言 十七音の内と外』『おひとりさまvs.ひとりの哲学』

◆『猫のためいき鵜の寝言 十七音の内と外』正木ゆう子・著(春秋社/税別1700円)

◆『おひとりさまvs.ひとりの哲学』山折哲雄/上野千鶴子・著(朝日新書/税別760円)

 最近、私の友人のひとりが宇宙にはまっている。宇宙といっても天体とか科学的な方面でなく、ややスピリチュアルな方面の宇宙にだ。宇宙はつねに我々にパワーを送ってくれていて、それを受け取るのも、気がつかないのも本人次第、そのパワーは、楽しい、嬉(うれ)しい、といったポジティブなエネルギーに反応するもので、そういう感情をもつ人はさらにパワーを受け取ることができるそうだ。私には幽霊が見えるような霊感やスプーンを曲げたりする超能力はないけれど、演じるとか文章を書くとかいうことは、脳みそだけではない、ちょっと妖しい何かとの交感で表現されるような気もしていて、そういう表現をゲイジツというならば、ゲイジツにはある種の霊感が絶対必要だとも思う。だから彼女のいう宇宙の話も、まあ、あるだろうなと理解を示すのである。そもそも私たちの生きているところは宇宙の一部。私たちの周りに起きることはまさに宇宙で起きていることになるわけだ。

 『猫のためいき鵜の寝言 十七音の内と外』(正木ゆう子)は、俳人である著者の、新聞に連載したエッセーをまとめたもの。誰にでも起こっている普通のことを掬(すく)い上げてエッセーを書くことは、普通なら素通りするような何でもないことを言葉にする俳句に似ている、という。凡人からすると、だからそういう何でもないことを言葉にできるのが俳人のすごいところなんだよな、といいたい。温泉に入って湯口を眺めているといろ…

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