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踏み跡にたたずんで

沿道で待ちながら=小野正嗣

 沿道に背中の少し曲がった老婆(ろうば)がひとり立っていた。手には小さな旗が握られていた。どこかの国の旗のように見えた。だとしたら知らない国だ。

 老婆は何かを待っているように見えた。

 何があるんですか、と訊(たず)ねた。

 紫色のニット帽を目のすぐ上までかぶったおばあさんは、僕を見上げた。乾燥してしわの多い薄い唇が動いた。

 もうすぐ通るから、ここで待ってたらいいのよ、ってお嫁さんが言うもんだから……。

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