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社説

トランプ氏一般教書演説 「米国第一」の限界を知れ

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 「あなた方は偉大さを選んでほしい」「米国の想像力に再点火しよう」などと格調高い言葉は並ぶが、さて米国と世界はよりよい方向に向かっているか。とてもそうは思えない。

 トランプ米大統領の一般教書演説である。連邦議会の上院は共和党、下院は民主党が過半数を占める「ねじれ」の中、トランプ氏が超党派の団結を訴えたのは当然だろう。

 だが、「外国の敵を破るために団結すべきだ」という言葉が示すように軍事も経済も内向きな「米国第一」の色彩が強く、世界との乖離(かいり)がさらに進んだ感がある。南部国境での壁建設への意欲も改めて表明した。

 注目された中国との貿易摩擦では、刺激的な対中批判は避けて習近平国家主席への「大きな敬意」を強調した。むしろ米国の過去の指導者に批判の矢を向けたのである。

 他方、北大西洋条約機構(NATO)の国防費問題では、加盟国の国防支出を総額で1000億ドル増やしたことを誇らしげに報告したが、米国が同盟国を「守ってやっている」といった態度は反発を呼ぼう。

 米国は韓国にも米軍駐留経費負担の増額を求めてきた。トランプ氏は「最新式のミサイル防衛(MD)システム」開発への意欲を表明しており、日本にもMD関連などで種々の支出を求めてくる可能性がある。

 トランプ氏がロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱に言及した時は、多くの議員が立ち上がって拍手した。それも米国世論の表れとはいえ、同条約を撤廃すれば米露中の三つどもえで核軍拡が進むのは目に見えている。

 世界はいや応なく危険になる。中国も含めた「INF後」の新たな取り決めについてトランプ氏が「交渉できるかも、できないかもしれない」というのは無責任というものだ。

 北朝鮮の非核化も見通しが立っていない。自分が大統領でなければ米朝は戦争になっていたというのは子供っぽい自慢だ。核実験やミサイル発射の停止が続いているだけでは脅威が軽減されたとはいえない。

 演説では2回目の米朝首脳会談の日程などが発表された。この会談も「米国第一」では済まず日本などに重大な影響が及ぶ。日本はただ推移を見守るのではなく、しっかりとトランプ氏に注文すべきである。

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