3月23、24日に千葉市の幕張メッセで行われる「第1回全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社主催、サードウェーブ共催)決勝大会の組み合わせが7日に決まった。大会はロケットリーグ(RL)とリーグ・オブ・レジェンド(LoL)の2部門にそれぞれ4チームが出場する。大会MC(司会者)のOooDa(オーダ)さん、RLアナリスト(分析)のYuhi(ユウヒ)さん、LoL実況のkatsudion(カツディオン)さんに大会の見どころや意義を聞いた。【倉沢仁志】
若い選手たちの戦いを楽しみに--OooDaさん
高校選手権があるからeスポーツを始めたという選手から、既にプロとして活躍する選手までいる。高校生たちの成長を含め、お客さんがいる緊張感がある状況で戦う姿を、観客にも楽しんでほしいと思う。実況、解説、アナリスト、そしてお客さんを巻き込んで鳥肌が立つような試合を見ることができると思う。
ロケットリーグは分かりやすく、見ている人も楽しめるゲーム。ただし、簡単に見えても操作性が非常に難しい。ボールに触る、ボールを蹴るだけでもテクニックが必要だ。リーグ・オブ・レジェンドは5対5なので、やはりチームワークが必要。各選手に役割があり、読み合いなども含めて連携が大事になる。
ロケットリーグが瞬間系ならリーグ・オブ・レジェンドは読み合い。高校選手権という初めての取り組みを通じ、若い選手たちの戦いを楽しみにしたい。eスポーツ界でもプロチームがある中で、高校生がどう育っていくのかを楽しみに、見てもらえればと思う。
OooDa(オーダ)
本名・岡上哲也。大阪府出身の31歳。約5年前からeスポーツなどで大会実況やMCを務めている。
どこが優勝するか予想できない組み合わせに--Yuhiさん
決勝大会に残った4チームは、この約3カ月をいかに有意義に使うかが大切になる。過ごし方によっては、全くもって別次元のチームになると思う。どこが優勝するか予想できない組み合わせになった。
1試合目の鹿島(佐賀)と横浜清風(神奈川)は、ハイレベルな戦いが予想される。横浜清風のエース・横田瞬(3年)は日本でもトップレベルの選手。派手なプレーから基礎的なプレーまでをそつなくこなす。
一方の鹿島にはチーム力がある。今の高校生レベルの試合はロングシュートを放って終わりという単純な作戦も見られるが、パスプレーをしていくとおもしろい。超エースにチーム力でどれだけ対抗できるかが鍵だろう。
2試合目の阿南高専(徳島)と鶴崎工(大分)は互いにエースがいるが、タイプが異なり、マッチアップが楽しみだ。決勝大会の場で、どのような戦いを見せてくれるか。こちらもしっかり準備したい。
Yuhi(ユウヒ) 本名・佐治雄飛。神奈川県出身の25歳。2016年にロケットリーグの国内大会で優勝した実力者。
相手の表情が見えると戦い方変わる--katsudionさん
高校にeスポーツ部ができるなどという環境は、僕らの頃にはなかった。彼らの努力した姿を見ることができるという意味でも、決勝大会が楽しみだ。
会場で顔を合わせる大会になると、相手の表情が見えるようになる。学校や自宅などからオンラインで参加した予選とは違って戦い方が変わってくる。
リーグ・オブ・レジェンドは何度やっても飽きない奥深さがある。陣取りゲームだが、海外では「展開の早いチェス」とも言われる。ゲームの中で有料アイテムを買って強くなるではなく、個々の技量に応じて実力が上がっていくので、達成感が大きい。5対5なので互いの信頼関係が重要になってくる。
第1試合の共生(岡山)とN高心斎橋(大阪)は、互いに2人で攻め合うポジションが強みのチーム。ここでどちらが上回れるかが鍵だ。第2試合はチームプレーの得意な東京学芸大付国際中等教育(東京)に対し、個人技が特徴の横浜市立南(神奈川)が押し切れるかに注目したい。